GPD Pocket3 性能レビュー

GPD Pocket3の性能をベンチマークを行って検証する。

GPD Pocket3は出荷状態では比較的省電力に振った設定となっており、これはBIOSで設定を変更できる。
GPD Win3の短期で全力放出な設定と異なり、出先での長時間利用に振られた設定はGPD Pocket3のユースケースにあっていると思うが、ここでは性能重視の設定にしてパフォーマンスの変化を確認する。

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確認するためのベンチマークと設定値の組み合わせは以下のとおりである。

■ベンチマークテスト

  • PASSMARK(CPU Mark)
  • PCMARK10
  • 3DMark(FireStrike TimeSpy)
  • FFXV

■設定値
GPD Pocket3はBIOSで簡単に電力設定を切り替えることができる。Memory FrequencyやConfigurable TDP Boot ModeのNormalとHigh、およびTDPの値自体を変更できるので、GPD Win3と同様のPL1に28W、PL2に25Wを設定した状態の3パターンでテストを行った。順当にいけばパターン3の時に本来の最高性能を発揮できるはずだ

Configurable TDP Boot ModePower Limit1Power Limit2メモリ周波数Windows電源モード
PT1Normal20W15W3733Mhz高パフォーマンス
PT2High25W20W4267Mhz最も高いパフォーマンス
PT3High28W28W4267Mhz最も高いパフォーマンス
電源を入れ、GPDロゴが出た瞬間にFn+Delを連打することで入れるBIOS画面 

1.PASSMARK

純粋なCPUの性能を調べるテストだが、PT3はPT2より性能が落ちる結果となった。ドライババージョンやベンチマークソフト自体のバージョンの違いもあるので一概には言えないが、PT2の結果はGPD Win3の結果を微差で越えている。

2.PCMARK10

PCの一般的な性能を調べるPCMARK10。こちらでもPT3のほうがPT2より落ちている。ドライババージョンや(以下略)だが、GPD Win3の結果はPT1でも超えており、オフィスツールの利用に関してはGPD Pocket3のほうが性能が高いことがうかがえる。

3.3DMark

ゲームの性能を調べる3D MarkではFireStrikeはPT3が最高、TimeSpyではPT2が最高という結果になった。
TimeSpyのPT2の性能はGPD Win3の結果を超えている。

4.FF XVベンチマーク

FFXVベンチマークではPT3が最高のスコアとなった。しかしGPD Win3に微差で負ける結果となっている。

5.考察

Core i7 1195G7のTDP-upは28Wなので規格に外れる設定ではないはずだが、PT3がPT2を下回るシーンが多く見られた。TmeSpyの結果を見るとGPU(ピンクのライン)の周波数が一定しない様である。何らかのスロットリングが起きているようにも見えるので、アプリや設定で改善できるかもしれない。このままでは問題があるかと言われればもちろん何もないのだが、Core i7 1195G7というTiger Lakeで最高の石なんだし、要するにロマンである。