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2024年もゲーミングUMPCは盛り上がりそうだ。
2024.1.28 OneXPlayer X1を追加
2024.3.10 GPD WIN MINI2024を追加
2023年のUMPC界隈は、内蔵グラフィック性能に優れたAMDのZ1 ExtremeとRyzen 7840uの独壇場であった。ASUSの「Rog ally」やLenovoの「Legion Go」など、大手メーカーがポータブルゲーミングPCでこの領域に正式に参入したのも特徴である。Z1 extremeや7840uは前世代のRyzen 6800uと比較して実行性能は20%向上した程度だったが、ライバルであるIntel製APUに対して高いグラフィックス性能を持っていた。
2024年もゲーミングUMPCを中心に様々な動きがありそうだ。
AMDは7840uの後継となる8040シリーズのAPUを発表しているが、搭載製品はまだ市場に登場していない。Ryzen 8040の強化ポイントはAI機能になる見込みだが、CPUの処理能力やGPUについても若干の性能向上が見込まれている。
一方、Intelは性能を大幅に強化したCore Ultraプロセッサーの本格投入を予定している。内蔵GPUであるIntel Arcは、従来の同社製内蔵グラフィックスの2倍の性能を持っているとされており、アイドル時の電力消費の低減も特徴である。これにより、スマホのようにスリープモードの常時運用が可能になるかもしれない。ゲーム性能においては、性能が2倍に強化されたCore UltraにRyzen 8040がどこまで競い合えるかが注目される。漏れ出てきているベンチマークテストを見るとIntel ArcはTDPを上げれば上げるほど性能が高まるように見える。Core UltraプロセッサーにはMaximum Turbo Powerという指標があり、例えばCore Ultra 7 155HのMaximum Turbo Powerは64W/115Wとなっている。ごく短時間しか持たない従来のターボTDPと異なり、電力が提供され冷却が続く限り、最大TDPを維持できる機能という認識だ。ネットで見る限りTimeSpyのスコアで3000から4000ぐらいのスコアになりそうだ。この振れは供給電力と冷却性能に起因するものと考えられる。個人的には冷却機構とバッテリーで巨大化・重量化するのは勘弁してほしいところだが、性能の高さに魅力を感じる人も多いだろう。また、メーカーは1種類のCPUで排熱と電力設計の調整のみで複数パターンの製品を作れる点に魅力を感じるかもしれない。
これらを搭載した製品は1~2月に発表され、4月頃には発売されるだろう。
自分が注目しているのは年の後半にアナウンスされているIntel のLunar Lakeだ。このAPUはCPUとメモリがエンベデッドされたAppleのM系APUと同様の構成になっている。そのため、メモリへの高速アクセスが可能となり、UMPCは一つの到達点(あるいは踊り場)に来たのかも? ASUS ROG ALLYとGPD G1に思うことで記載したメモリのボトルネックが大幅に解消され、グラフィック性能が5割ぐらい増えるのではないか…という期待がある。搭載製品は年明けからになると思うが、エポックメイキングなAPUになる可能性があると思っている。
ここからは各製品を確認していく。
メーカー | ONE-NETBOOK | AYANEO | MSI | AYANEO | Game Pad Digital |
機種名 | OneXPlayer X1 | AYANEO FLIP | Claw A1M | AYANEO Next Lite | GPD Win Mini2024 |
CPU | Core Ultra7 155H Core Ultra5 125H | Ryzen7 7840u(?) | Core Ultra 7 155H Core Ultra 7 125H | AMD Ryzen7 4800u AMD Ryzen5 4500u | Ryzen7 8840u Ryzen7 8640u |
Memory | LPDDR5 7567Mhz 16GB-64GB | ?? | LPDDR5 6400Mhz 16GB | LPDDR4266 16GB | LPDDR5-6400 16GB/32GB |
記憶装置 | 1TB-4TB | ?? | 1TB | 128GB-512GB | 512GB/2TB |
画面サイズ | 10.95インチ(2560×1600) | 7インチ(1920×1080) 120hz | 7インチ(1920×1080) 120Hz | 7インチ(1280×800) | 7インチ(1920×1080) 120Hz |
本体サイズ(mm) | 252×163×13 | ?? | 294 x 117 x 21.2 | 267×112×22 | 167×109×26mm |
本体重量 | 789g | ?? | 675g | 720g | 520g |
デジタルペン | |||||
カメラ | 〇(Front) | × | × | × | × |
バッテリー | 65W | ?? | 53Wh | 47Wh | 44.24Wh |
拡張ボート | USB C-4.0×2、USB A×1、Oculink、microSD | ?? | USB C4.0 ×1、microSD | USB3.2 TypeC×3、 | 付け替え式グリップ(底面パーツ付け替え),ハードウェアキーボード, |
その他 | 着脱式キーボード、着脱式コントローラー、着脱式スタンド、顔認証、指紋認証、Harmanスピーカー | キーボードバージョンと2画面(3.5inch)バージョンあり。 マウスポインタ | ゲームパッド、Androidエミュレータ、指紋認証、Claw専用ドック(別売)、2Wスピーカー | ゲームパッド | USB4×1、USB3.2TypeC×1、USB-A×1、microSD、タッチパッド、ゲームパッド |
登場予定 | 2024年3月(クラウドファンディング中) | クラウドファンディング予定 | 2024.4月以降(日本発売不明) | ?? | クラウドファンディング中 |
参照URL | Indiegogo | Indiegogo | メーカーサイト | メーカーサイト | IndieGOGO |
AYANEO
2024年の最初の製品の一つとして、IndieGOGOでクラウドファンディングが告知されているAYANEO FLIPが挙げられる。この製品はメイン液晶が7インチで、キーボード付きとサブディスプレイ付きの2種類のモデルが存在するユニークな構成だ。採用されるAPUはRyzen 7 7840Uと記載があるが、IndieGOGOのページのURLは8840uとなっているので、こちらが搭載されるのかもしれない → 両バージョンが存在する。AYANEOは本当にバリエーションが多い。メーカー側でも管理が大変そうである。ゲームパッドの配置はゲーム機に近く、キーボード付きのモデルはGPD WinMINIと同様のボタン式の物理キーボードを搭載しているが、キー自体はGPD WinMINIより小さい可能性がある。また、サブディスプレイ搭載バージョンは、このサブディスプレイでフリック入力などが可能かどうかが気になるポイントだ。
また、廉価なAYANEO Next Liteが発表されている。機能・性能的にみるべきところは見当たらない(Ryzen7 4800uはTimeSpyで1300程度)が、実績のあるAYANEOが作る手軽に買えるゲーミングUMPCとしてニーズはありそうだ。
MSI
同時期に登場しそうなのは、前述のCore Ultraプロセッサーを搭載したMSI製のClaw A1Mである。前述のように性能を最大限に引き出せば非常に高いパフォーマンスが期待できる。ただ、それを支える強力な排熱機構と53Whの大容量バッテリーの反動か、7インチの画面サイズに対して675gはやや重い印象がある。
ONE-NETBOOK
早くも今年の決定版にさえなりそうな機体のクラウドファンディングが始まった。Core Ultra7 155H を搭載したOneXPlayer X1である。メモリも7567Mhzと高クロックで隙がない。紹介ページによれば、TDPを35Wに設定したときのTimeSpyのスコアは4000を超えるようだ。グラフィックスコアも3700を超えるようで、NVIDIA GeForce GTX 1650を上回る性能といってよさそうである。それ以外の仕様も昨今のOne-Netbookらしく着脱式のコントローラーとキーボードという構成で、ノートPCライクにもゲームに特化しても使えるようになっている。また、Oculinkのポートも用意されており、One-Netbookが提供するGPUボックスのONEXGPUを接続することもできる。
ただ、これまで標準的だった28WのTDPを超えるため、重量は増える傾向が見える。
個人的にはHarmanのスピーカーと、認証指紋とフロントカメラによる顔認証ができる点のポイントが高い。
GPD
GPD のGPD WIN Mini2024のIndieGOGOでのクラウドファンディングが始まっている。既存のRyzen 7840uから8840uへの変更以外にいくつかの変更箇所がある。アピールされているのはディスプレイの変更で、120hz駆動の可変フレームレート対応ランドスケープ液晶の搭載である。より滑らかで快適なゲーム画像が期待でき、昔のゲームで画面が縦になってしまうという問題点が解消されるということで、これなら買い! という人もいるだろう。 ※ が、GPD WIN Mini(2023)の液晶に一切不満がない自分は乗れないので残念である。
また、Oculinkが廃止されてUSB-Aポートに置き換えられ、ランドスケープへの変換チップが不要となったことで消費電力の低減(=バッテリー持続時間向上、発熱低下)、8840uになることで基本性能も10%程度上がるようだ。Xによると基盤は新設計とのことでGPD WIN Mini(2023)との互換性はないとのこと。