UMPCやバッグと並んでノンアルコールビールも追及しているので見かけるといろいろ試している。アルコールを含まない飲料が本物のビールを模倣する試みには、特有の魅力があると思っている。これまで多くの製品を試してきたが、特に注目すべきものはBEERY IPA以来見つかっていなかった。しかし、2024年4月9日に発売されたアサヒゼロは、これまでにないレベルの熱意が感じられた一品だ。
アサヒゼロの詳細はメーカーのホームページをご確認いただければと思うが、脱アルコール製法で作成され、アルコール分は0.00%である。ビールらしさを保ちながらアルコール分0.00%を実現するため、2倍濃縮のビールを作り、そこから脱アルコール処理を2回行って作成しているという。この力業感が実にイイ。
近畿エリアでは昨年から先行発売されており、この度関東圏でも発売となった。先行販売の結果は確認していないが、良好な成績だったのだと推察される。
発売日の9日の帰宅時間には都内のスーパーやコンビニには並んでいたので、期待を込めて一気に6缶買ってきた。
昔はノンアルコールビールの泡は弱かったりすぐ消えてしまったり不自然だったりしたものだが、最近では自然な泡が出るのは当たり前になっている。
注いだ後の香りは強くはないが、2倍濃縮のためか炭酸の発報のみでビールを感じさせる香りを感じることができる。口に流し込むと・・・なかなかいい。わかっていることもあって、「普通のビールとはちょっと違うな」という印象は受けてしまうのだが、うまいと感じる。苦みは自然だし、口に含むと麦の香りを十分楽しめる。また、これまでのノンアルコールビールは口に含んだ一瞬後に舌の奥の両脇に特有の違和感を感じていた。アサヒゼロではそれが大幅に薄れたと感じる。これまで試した海外物も含め、自分としては最上位のノンアルコールビールだと思う。BEERYと比べると上で記載した違和感はBEERYの方がより自然ではあるものの、BEERYより味は濃く感じられた。
本物のビールと比べるとどうか。
自分はドライ党では全くないのだが、比較のために購入した(たぶん前回スーパードライを購入したのはBEERYと比較した時だ)。アサヒゼロを飲んでからスーパードライを飲むと「あぁこれこれ」となるものの、スーパードライをちょっとくどく感じた(個人の感想です)。アサヒゼロはライトな印象である。薄いということではなくライト。自分が好きなIPAビールのどっしり感はないが、日々飲むビールとしてはアリ、という感じである。気になるところは、麦の強い香りは良いのだが、その内容がちょっと甘すぎる気もする。焼いたパンのような甘いやさしい香りに感じられ、もうちょっとアグレッシブにできないか、という気はしなくもない。相方は「めっちゃ頑張っている感じするね。でも香料がわかるかな」とのことだったが、全体的に高評価だった。自分としてはBEERY IPAが好きだったこともあり、まだBEERY IPAの復刻を希望しているもののアルコール分ゼロでこれを実現していることは画期的だと思う。アルコール分を気にするビール好きの方でも手に取れるし。「ビールはだめだけど、アサヒゼロは好き」という人も出てくるように思う。また、さらなる進歩も期待できる印象を受けた。
自分としては温泉巡りも好きなので温泉上がりに飲めたらサイコーだろう。ぜひ全国の温泉地においてほしいなぁ。