eGPUでオフィスワークははかどるのか?GPD G1とPCMark10で考察する。

前回のテストでeGPUによってゲーム性能は大幅に高まることはわかった。
ではオフィスツール用途での性能についてはどうだろうか。

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現在ほとんどのノートPCはCPUとGPUが一体となったAPUが使用されている。これはビジネスPCも同じでRyzen6800uや7840uのような強力なGPUを備えたオフィスPCを使っている人は少ないと思うが、Core i3 1215UなどもAPUであることに変わりはない。

APUはメインメモリをグラフィックメモリとして使用するため、メモリ帯域や容量をAPU内のCPUとGPUが融通する。これはボトルネックになる可能性があるため、eGPUを使ってGPUを切り離せば若干とはいえ性能が向上するかもしれない。一方で、外部機器の管理がCPUの負荷となり、かえって処理速度が落ちる可能性もある。

ということでGPD Win(初代 Core i5 1035G7 メモリ16GB)とGPD Winmax2(Ryzen6800u メモリ16GB)でPCMark10を実施し、オフィスアプリにかかわる項目を詳細にみていこうと思う。

以下がPCMark10の結果である。GPD WinとGPD Winmax2でそれぞれGPD G1をつながなかった場合、つないだ場合でPCMark10を回している。オフィスソフトの利用ということで、テストはすべて外付けのディスプレイのみ(本体ディスプレイは切断状態)で行っている。
また、GPD Wimax(初代)のPCMarkは多少古く、単純にGPD Winmax2とは比較できない可能性がある点はご承知おきいただければと思う。
※バージョンアップしたり使い込むことでスコアが以前とは変わって(基本的に落ちて)いる。GPD Winmax2は1年使ってきての性能低下だが、下がり幅が大きい印象もあるので別途検証したくなる。

結果はGPD G1をつないだパターンが両方とも高スコアとなった。最も差がついているのはDigital Content Creationである。この結果から、ビデオや画像の編集にも外付けGPUが有効そうだと期待できるが、今回はオフィスソフトの性能変化を確認するのでこの項目は除外する。
今回確認するのは以下の項目である。

Essentials
・App Start-up Score
・Video Conferencing Score
・Web Browsing Score

Productivity
・Spreadsheets Score
・Writing Score

明確にeGPUの恩恵を受けるDigital Content Creationを除いてもGPD G1を接続した場合の優位は変わらないようだ。各テスト結果の詳細はページの下に入れているが、以下のようなことが言えそうである。

1 グラフィックと関係しない処理でもGPD G1(外付けeGPU)を接続したほうが性能が上がる場合が多い
2 GPD Winmax2はGPD Winmaxよりも明確にGPD G1による性能向上が見て取れる

このことから外付けGPUを接続したほうがオフィスワークでも一定の性能向上が期待される、といえそうだ。GPD WinmaxとGPD Winmax2の違いはGPD WinmaxがThunderbolt3であるのに対し、GPD Winmax2はUSB4接続となるからとか、Ryzen 6800uの方がCore i5よりもGPD G1と相性が良いため、個体差など考えられるが、現時点では不明である。

まとめ

オフィスワークのPC環境を改善するのであればeGPUを追加で購入するよりPCを買い替えた方がコストパフォーマンスは良いに決まっている。ただ、使った方が処理が速くなるのであれば、持っているなら使った方が良いということになる。「外部データを取り込まない周辺機器は個人のデバイスを使用しても構わない」という会社のレギュレーションであれば、eGPUはオフィスPCの性能を高める道となるかもしれない。

※GPD Winmax2にはGPD Winmax2(無印)とCPUを最新化したGPD Winmax2 2023があり、GPD Winmax2 2023にはRyzen7640uとRyzen7840u、LTE有り無しなどバリエーションがある。

テスト結果詳細

 ※単位は「秒」。値が小さいほど良い。GPD Win とWinmax2それぞれでよいほうを太文字表記

 ※単位は「秒」。値が小さいほど良い。GPD Win とWinmax2それぞれでよいほうを太文字表記

 ※単位は「秒」。値が小さいほど良い。GPD Win とWinmax2それぞれでよいほうを太文字表記

 ※単位は「秒」。値が小さいほど良い。GPD Win とWinmax2それぞれでよいほうを太文字表記