GPD G1 性能レビュー

GPD G1の性能を確認する。確認事項は以下の通り。

  • 外部ディスプレイと内蔵ディスプレイでの違い
  • 公開されているTDP 80W,100W、120WのBIOSによる性能や騒音の変化。
  • 3年前のマシンであるGPD Winmax(初代 1035G7 メモリ16GB)とGPD Winmax2(Ryzen 6800u)にそれぞれGPD G1を接続した場合の結果
  • 3DMark、CyberPunk2077、FF15ベンチで検証

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準備

GPD G1にはTDPを切り替える3つのBIOSが公式に提供されていて80w、100w、120wのいずれかを選択できる。ベースとなるのは100wで、消費電力が高い120wのほうが高性能が見込まれるが発熱量が増え、騒音が大きくなる可能性がある。80wはその逆である。

※BIOSの更新に失敗すると二度と起動できなくなる可能性があるので自己責任でお願いします。

ダウンロードしたフォルダの
AMDVBFlash_v5.0.638-standalone-NBD-windows.exeをまず実行する点と、
アップデートが完了し、再起動が促される表示が出たらプロンプト画面を閉じて、GPD G1を再起動する必要がある点は留意が必要だ。
(自分はAMDVBFlashを行うことを読み飛ばしていて失敗し続けた。また、プロンプト画面ではキーを押し続けると何週でもアップデートを行うのでいつまでたっても終わらない)

また、以下は自分の環境である。
仕事(HP Elite X2)もゲームも同じディスプレイやマウスでできるようにしており、コンパクトで簡単に入れ替えられるGPD Winmax2は自分のスタイルにマッチしていると思う。まさにUSBケーブル一本で環境をすべて切り替えることができるからだ。EliteX2も古い機種だがThunderbolt3がついていて、もちろんゲームやベンチマークは行っていないものの、特に問題なく動いている。(この機種にThunderbolt3がついていて本当に良かった)。

ただ、そのため今回の検証も基本的には外付けディスプレイでの確認がメインになっている点をお断りしておく。

→→ GPD G1についてAMAZONで確認する

ベンチマーク結果:Firestrike

inは内蔵ディスプレイ、Extは外付けディスプレイ(ThinkVision P24h-10 テスト時は解像度を1980×1200に設定)である。
同じTDP100wの時に内蔵ディスプレイと外付けディスプレイでは15%以上の差がつく。開封レビューで書いたように1本のUSBケーブルでデータの送信と生成された画面データの受信の両方を行うことになるためケーブルの帯域がボトルネックになるためと考えられる。
また、TDP80wから120wに向けて順当に性能が上がることもわかる。ただ、ファンの騒音も同じように上がる。

GPUは同じだがGPD Winmax(初代)とGPD Winmax2との差も大きくついた。これはCPUの差が大きく出るためだと思われる。
また、GPD Winmax(初代)では内蔵ディスプレイと外付けディスプレイで差がつかなかった。これは、生成される画面データのデータ量がGPD Winmax2に比べて大きくないため、ケーブルがボトルネックにならないためではないか。

TimeSpy

基本的な傾向はFirestrikeと同じだが、内蔵ディスプレイと外付けディスプレイの差はFireStrikeの時と比べて小さい。これは処理量が大きなTimespyでは生成される画面データのボリューム(フレーム数)が小さいためUSBケーブルの帯域がボトルネックになりにくいためと考えられる。また、TDP100wと120wの差が小さく(というか120wのほうがスコアが悪く)なる。何回やっても結果は同じだったので、発熱量やGPUへの負荷から保護機構が働くのかもしれない。また、GPD Winmax(初代)とGPD Winmax2の結果の差はFireStrikeの時に比べて小さい。これはGPUに負荷のかかるTimespyではCPUよりもGPU側がスコアに大きな影響を与えるためと考えられる。

Cyberpunk2077

画質を高に設定し、レイトレーシングの有無や品質を切り替えて確認した。
FSRを入れてもレイトレーシングを中にすると厳しい印象だった。自分としては高画質+レイトレーシング低+FSRでプレイしようと思う。

TDPを120wにするとスコアは明確に悪化した。これはTimeSpyの時と同じ現象だと考えられる。あまり高い負荷をかけると保護機構が働くのだろう。

Final FantasyXV

こちらも120wに設定するとスコアは大幅に落ちた。

また、掲載していないがホグワーツレガシーも試したものの、妙にがくがくした表示となり、ゲームにならなかった(画質を最低にしてもがくがく)。ネットを参考にドライバの最新化や水平同期なども調整したものの改善はみられていない。ネットには自分と同じ現象の人は見当たらなかったので、自分だけの問題の可能性もあるが、GPD G1でやろうと思う人は注意したほうが良いかもしれない。メモリが16GBのマシンだと発生する、という意見もあったので、この先32GB以上のメモリを搭載したマシンを手に入れたら試してみようと思う。

考察と所感

ホグワーツレガシーは残念だったが、それ以外に関しては期待通りの性能を発揮する。自分は騒音が小さい80w版のBIOSを常用利用することにした。また、取り回しがUSB1本で済むのは改めて便利である。性能には余裕があるので当面は新しく発表されるゲームにも余裕で対応できそうだ。(最も、やる時間がまったくなくて、アーマードコア6も買ったものの、まだ最初のヘリさえ落とせていないという状況なのだが…。)

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