テレワークで体重が増量していく中、食習慣を少し見直してみようと玄米食にチャレンジした。予想以上に美味しい上、腹持ちもよく、昼食後に眠くなることもなく、今後も続けていきたくなる要素満載だった。
※記載内容は個人の主観に基づくものであり、効果・効能・感覚を保証するものではありません。
以前から「玄米」には興味があった。どれぐらい以前かといえば、某グルメ漫画で健康食品として取り上げられているのを見た時以来だ。その時はまだ子供だったので母親に「玄米買って。有機農法のやつ」とお願いしたものの「玄米なんてぼそぼそしておいしくないんだよ。絶対に嫌。1kgでも嫌」とすげなく断られた。思い返せばそのころは某グルメ漫画を見ては「あれ食べたい」「これ作って」、と母親にねだって困らせていたように思う。
そんなわけで玄米は食べずじまいとなったのだが、ここのところテレワークの影響か体重が気になるようになってきた。運動不足は明らかで、この1年で5kgぐらい体重が増加している。そんな自分が再度注目したのが玄米だ。白米を玄米に変えたら良いのではないか…?
自分の相方は大学を卒業後、数年間有機農家として農業をやっていたことがある。「玄米が食べたい。有機農法のやつ」と聞いてみたところ色よい返事が返ってきた。「有機農法ならいいってわけじゃないよ。ちょっと探してみるわ」
ということで選ばれたのがこのポケットマルシェで出品されていた杉浦農園さんの「無農薬コシヒカリ(玄米)はぜかけ米」である。
ちなみに検索のポイントは
- 有機農法であること
- 鶏糞など匂いの強い肥料を使ってなさそうなこと
- フィーリング
とのことだった。臭いの強い肥料は、精米された白米には関係ないが、玄米だと臭いが残ってしまうことがあるらしい。
電気炊飯器には「玄米」というメニューがあるので水量などもそれに合わせて炊けばよい。相方によれば「玄米は給水時間を長めにとるんだけど、このお釜の場合はわからんね」ということだった。母親からの「ぼそぼそ」というコメントが頭をよぎったので5時間ほど給水させてから炊いてみた。炊きあがりには白米の炊飯が60分であるところ85分かかる。
だが、これは失敗。
おこわとおかゆの中間ぐらいのべっちゃりした食感になってしまった。しかし、味と香りは非常に良い。白米でも小麦でもない穀物のうまさを感じる。べっちゃりしながらもプチっとした食感も心地い。残った玄米は玄米粥としていただいて、次の作戦を練る。
「このお釜は圧力かかるから給水はいらんのかもね」という相方の言葉で次は9時前にセットし、12時前に炊き上がるようにセットした。お昼が待ち遠しくなる香りがテレワークをしている自分の部屋まで漂ってくる。果たしてこれは正解だった。今度はしっかり粒があり、弾力もあり食感もある。食味は1回目に炊いた時と同様で、しっかり己を主張する味わいがある。自分としては和食なら何でも合うような気がする。モチモチに出来上がるのでピラフとかチャーハンには合いそうもない。また、この味の強さだと淡い味を楽しむようなおかずには合わないかもしれない。
投入する玄米の量に対して水の量が多いものの、炊き上がった茶碗一杯分(1食分)のカロリー自体は白米とそれほど違わないようだ。
しかし、失敗した1回目も感じたことだが腹持ちがとてもよい。また、昼食の後の眠気がやってこなかった。玄米は消化吸収がゆっくりなため、長時間にわたって空腹を感じることがなく、血糖値の上昇が緩やかなので食後に眠くなりにくい、というのは調べて分かっていたが、ここまで白米やパンと違いがあるとは思わなかった。相方とも「眠くならん!」と意見が合致している。また、腹持ちの良さでは夕方まで「食べる」ということを意識せずに済んでいる。食物繊維が非常に豊富という点も腸内環境の改善に寄与してくれそうだ。
白米には白米の良さがあるが玄米には玄米の良さがある、あるいは母親の時代には難しかったものが、現代の釜の技術でおいしく食べられるようになったのかもしれない。
ただ、相方は「自分にはこのおコメの味は濃すぎるな」というので、Amazonで別の玄米も購入してみた。
同じように給水時間は意識せずに炊いてみる。炊き上がりの香りは「無農薬コシヒカリ(玄米)はぜかけ米」より弱いものの、それでも非常においしそうな香りがする。
炊き上がってみると食感はそれほど変わらないが、「無農薬コシヒカリ(玄米)はぜかけ米」に比べるとあっさりした味だった。自分はコシヒカリとひとめぼれの違いはよくわからないが、「無農薬コシヒカリ(玄米)はぜかけ米」と「プレミアム 無農薬 ヒノヒカリ」の違いははっきりと判る。同じ玄米でも大きな違いがあるのだ。相方は「熊本産 プレミアム 無農薬 ヒノヒカリ 令和2年産 玄米」のほうが食べやすく好み、とのことだが自分としてはパンチのある「無農薬コシヒカリ(玄米)はぜかけ米」の食べ応えがあって好みだったから、個性が強い分、個人個人の好みで向き不向きが出てきそうである。もし、何らかの玄米を試してみて、自分の味覚と合わなかったとしても別の銘柄にしっくりくるものがあるかもしれない。ちなみに食後の眠さに襲われない点や腹持ちが良い点などは共通だった。
そんなわけで自分としては毎食玄米食でよいのだが、相方は「私はやっぱり白ご飯が好きなのである」というので、少なくとも平日の昼は玄米にしてもらうようにお願いした。
今回2種類の玄米を食べ比べてみたが、多少の好みの違いはありこそすれ、両方とも非常においしいお米だった。自分の子供のころ―インターネットがない時代にこのお米と巡り合うのはほとんど不可能だっただろうから、本当に良い時代だと感じる。コロナが明けたら母親にもこの玄米を食べさせて感想を聞いてみたい。