近年、オンライン学習サービスが拡充している。政府や行政のリカレント(社会人の学び直し)を推奨する動きとも呼応しているようである。UMPCとの親和性は実はすごく高いかも!?

リカレントとは「学び直し」と訳される、「社会人に出た後も勉強して、新しい知識や学びによって人生を切り開きましょう」という比較的おせっかいなムーブメントだ。
これまた余計なお世話だが、日本の社会人は先進国で最も学習をしない国民性といわれていて、総務省の平成28年社会生活基本調査によれば平均的な社会人の1日の勉強時間は6分間ということらしい。


テレビアニメのおぼっちゃまくんでは「1日1分、3日で3分勉強するのもつらい」と歌っていたからその6倍ではあるものの、おぼっちゃまくんの6倍でいいのか、という疑問も沸く。

実際には「学習」の定義の違いなどもあり、単純に各国比較をすることにあまり意味はないようだが、自分を振り返ってみたときに、「そういえば最近勉強をしていないな」と思い至った。40代にもなると会社の研修はなくなるし、ビジネス書は月に1,2冊は読むものの、学習かといわれるとちょっと違う。

改めて調べてみると、Youtubeで芸能人や著名人が講義をしているものからUdemySchooなど有償のものまでオンライン学習が真っ盛りである。9月から10月にかけては祝日も多く、せっかくなので手元のUMPCを活用した学習をしてみようと思い至った。

勉強のテーマ

手始めにのNEWS PICKSのMOOC/NewStudyの無料サービスを試してみる。現在の仕事に関連が深いところで、アルファドライブが提供している新規事業開発シリーズを試してみた。GPDPocket3の8インチの画面でも問題なく文字は読める。それどころか画面の半分にしても講義画面の判読は可能だ。こうなると残りの半分をメモに使わない手はない。ここでGPD Pocket3やOnemix3のSurfacePen互換のデジタイザ機能が生きる。動画を見ながら手書きのメモを取れるので、OneNoteに学習のページを作って整理していけば、まさに「勉強している!」という感じになる。

講習を聞きながらメモを取るイメージ

MOOC/NewStudyは7日間無料ということなので、登録して他の講座も聞くことにした。自分の業務に直結する内容なので、上長に報告すれば業務時間中に見てもよいのかもしれないが、それはせずに空いている時間に再生する。例えば歯を磨く時間や相方がいないときのテレワークの昼飯時、皿を洗う時間などだ。そうしたところ、1日に2時間程度は勉強時間が取れることが分かった。「あ、ここ重要っぽい」というところで洗剤が手についていたりすると、後から確認することになるので効率は100%ではないが、新しい知識や頭の整理ができ、充実感がある。
これなら、と思って30代のときに目指していてうやむやになった中小企業診断士の勉強を直そう、と思い立ち診断士ゼミナールに再度登録し、教材を取り寄せた。

Edgeを見直す

診断士ゼミナールの教材はテキストがPDFで提供されている。MOOC/NewStudyでもPDFのテキストはあったのでわかっていたのだが、初めてWindows標準添付のWEBブラウザ「Edge」の恩恵を感じることになった。それはPDFにデジタイザで書き込みができる(もちろん保存も可能)ためである。これはオンライン学習の際にはとても有能な機能で、左で動画を再生しながら右側でテキストを表示させつつ、そこにメモを取っていくことができる。デジタイザは指によるタッチとは区別されるため、右手で書きながら左手で画面をスクロールさせてページを送っていく、という操作も可能だ。これはWindowsの機能なので、GPD Pocket3でなくてもOneMixシリーズやSurfaceシリーズ、手持ちのPCではEnvy X360 などでも可能である。ただ、持ち運んで外出先でも、と考えればGPD Pocket3やOnemix3などのデジタイザに対応したUMPCが最適だろう。

Edgeを使ってPDFに書き込む例。ブラウザで開いたPDFに直接書き込むことができる。

学んでみると

リカレントという言葉は10年ほど前からテレビや経済紙で聞くようになった。人生100年となる時代にあって、我々労働者を末永く働かせ、成果を搾り取り、あまつさえ年金の支給を遅らせたい、という政府や行政の思惑も見え隠れするが、主体的にやってみると学ぶことは純粋に楽しく、頭がすっきりとするスポーツのような側面がある。

また、前述の社会生活基本調査であるが、最新の令和3年版では社会人(特に30代)の学習実施率が上がっているという。

「学習・自己啓発・訓練」の行動者率は 39.6%で、5年前より 2.7 ポイント上昇
2016 年と比べると、行動者率は 2.7 ポイント上昇している。これを男女別にみると、男性が 3.3 ポイント、女性が 2.1 ポイントそれぞれ上昇している。年齢階級別にみると、70~74歳を除く全ての年齢階級で上昇しており、30~34 歳では 7.1 ポイント、35~39 歳では 6.6 ポイントそれぞれ上昇しており、特に 30 歳代で上昇幅が大きくなっている。

令和3年社会生活基本調査 結果の概要

UMPCをお供に学習の秋というのもよいのではないだろうか。