いつ出るのだろうと思っていたGPD MicroPCの新型が発売された。久しぶりの正統派7型UMPCということで購入を決めた。
※レビューはIndiegogo版です。製品版とは異なる可能性があります。
購入の決め手
GPD Winmini2024をほとんどいつも持って出かけている。UMPCの使い道 -JoyToKeyでGPD Win Miniを強力なWeb端末に-の設定を行ったWinmini2024の使い勝手が非常に良いからである。Web検索以外に、最近は今更ながらKindleの電子書籍にはまっている。これまでKinndle端末を2回ほど購入したいものの、「結局紙の本がいいや」となっていたのだが、試しにGPD Winminiで読んでみたところ自分にとっては意外なほど具合が良かった。振り返ってみると本を開いた時やページ送りのレスポンスの遅さが、意識はしていなかったもののKindleを使わなくなる理由だったようである。最新版のKindleでは改善されているらしいのだが、自分としてはGPD Winminiで十分だ。
それに加えてこのところ通勤時にAIへのプロンプトを入力する。プロンプトはある程度の文字情報を入れる必要があるのだが、GPD Winminiだとそれがちょっと辛い。できなくはないのだが、もっと快適に入力できないかな、とは思っていた。そこへきてGPD MicroPC 2の発表となったので、(既にGPD Winminiが3台あるにもかかわらず)購入に至った。
GPD MicroPC 2 の主な機能・特徴
- 小さい:いったんほぼ絶滅したものの、GPD Pocketで復活し、そして今また消滅しつつある7インチのUMPC(ウルトラモバイルPC)である。回転式のフルHDタッチディスプレイを採用し、テントモード、タブレットモードをとることができる2in1PCでもある。
- 重量はペットボトル一本分(約490〜500g):公式発表では約490g(メディアの記事、および自分のGPD MicroPC2では500g)。600gを超えると日々持ち歩く気にはならない。この重量のラインを継続して販売してくれるGPDには感謝である。
- Windws PCである:コンテンツ消費でなく、作業をするためにはWindowsのショートカットやホットキーの豊富さ、周辺機器との相性の少なさ、オフラインでの使用が前提となっている足回りなど、スマホに加えて持ち運ぶ1台としてはWindows端末が適していると思う。
- 実用的なI/O:USB‑C 3.2 Gen2×2、USB‑A 3.2 Gen2×2、HDMI 2.1、microSD、有線LAN。フルサイズHDMIは誰にとっても使い勝手が良い。
- 十分な性能:Intel N250/N300(TDP 6-15W)+16GB LPDDR5 / 512GB SSD。 自分のMicroPC2はN300バージョンで、CPU処理性能はインテル10世代: Core i5-1035G7とインテル11世代: Core i5-1135G7の中間ぐらいである(グラフィック性能は両者に大幅に劣る)。
- バッテリーと給電:27.5Whでいたわり充電機能付き。
開封してみると…
- 第一印象:GPD WinMINIシリーズに比べて厚みがないのでスリムな印象で、持ち上げるときの後述の手へのあたりの良さを感じた。
- 基本性能:GPD Win Mini2024(Ryzen 7 8840U)>GPD MicroPC 2(N300)で、ざっくり“半分程度”のCPU力という認識。ただし、TDP 10W(初期設定)+常時省エネ運用でもブラウジング、ドキュメント、ChatGPTのプロンプト作成でモタつきは気にならない。ベンチも追って計測したい。
- キーボード:メタルドーム系のボタンだが、GPD Winminiとは異なる独特のクリック感がある。親指入力は非常に打ちやすい。普通のノートPCスタイルでの入力は、3本指程度での入力は可能である。入力速度はフルサイズキーボードの1/3といったところだろうか。
- ヒンジの安心感:GPD Pocket 3も所持しておりこれと同様の回転機構だが、GPD Pocket3は8インチ液晶サイズで、本機の方が小ぶりなぶん剛性感の印象が良い。一時期、Pocket3も持ち運んでいたが、700gを超えるボディで持ち運ぶことはほぼなくなってしまった。
- 持ち心地:角が丸められたデザインで、手当たりが優しい。GPD Winminiとどちらを持ちたいかならMicroPC 2に手が伸びる。一方、Win Miniの強みはゲームパッド側のショートカット活用である。JoyToKeyで自由度高くショートカット割り当てができ、モバイルWeb検索の生産性は圧倒的だ。個人的には音量/輝度はFn併用で十分であり、ユーザー定義できるマルチファンクションボタンの方が仕事/私用の両方で有益だと感じた。ただ、MicroPC2でも対策ができそうなので今後設定予定である。
- スピーカーと音:自分にはちょっとこだわりがあるUMPCのスピーカーである。音量は十分だが、基本的な利用スタイルで持つと左右スピーカーを手で覆いがちなので、音を出す場合は持ち方をちょっと気にする必要がある。一方でテントモードにした場合は塞がりにくいということでその点では理にかなっている。いつも通りエージングをする予定だがWin Mini 2025には劣る印象。相方が持つタブレット(数世代前のiPad Pro や1つ前のMINI)との比較でも依然だいぶ分が悪い。作業用途なら十分、鑑賞用途では割り切りが必要というところである。
- 通信まわり:LTEは内蔵されていない。ただし、以前こちらの記事でも紹介したGPD Win4専用LTEモジュールを使うことができた。
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使ってみると・・・
- 1週間ほどGPD WinMINIの代わりに持ち運んで使ってみた。移動中の入力端末としては非常に優秀で、電車内でChatGPTのプロンプト打ちが快適だった。またテントモードにしてRadikoを流すとか、仕事中にポモドーロのタイマーにするというのも今後の使い方になりそうである。(自分はいつもstudy timerさんの動画を流している)「テントモードなんて飾りで(ry」と思っていたがフットプリントが2/3程度になるので置けるところが増え、それなりに利点があるようだ。





トラブル/注意点
- Windows Updateで 0x80070005となりアップデートが続行できない問題が先行ユーザー間で報告されていた。自分の個体も該当したが、対策としては、Updateサービスの無効化と再有効化で解決するケースがあり、国内でも販売店/代理店の天空から周知があった。ちなみにWindows Update Blockerを使ってアップデートサービスを再起動させるということで、「アップデートを止めちまえば問題もなくなるだろう?」という強引な解決策ではない。自分の場合もこの対策でアップデートを行えるようになった。とはいえ、日本だったら対策盤のOSに入れ替えるために発売延長(少なくとも一般販売は)されそうなところだが、「やることは個々人で対策すればいいでしょ」とばかりに発売されたところはさすがというべきか…。
- 指紋認証:自分の個体はコールドブート時に認証不可できず、スリープ/休止復帰では有効という挙動がみられる。リストア後に再検証予定である。
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GPD MicroPC 3 には「これが欲しい!」
GPD MicroPC は業務用ということなので、Pocket5に求める内容なのかもしれないが、一応、「僕の考えた最強UMPCの要件」を記載しておく
- キーボード:コストもあるのだろうが個人的には通常のパンタグラフ式(ノートPC型)が良い。Pocket 2のキーボードを一回り小型にして載せられないか。
- カメラ:イン/アウト両方:メーカーは「スマホの写真を取り込めばいいじゃん」といっているようだが、外界とPCの中をつなぐためにはカメラが必要なのだ。QRコードを生成し、簡単に他のデバイスとテキストデータをやり取りするのにも使えるだろう。現場スナップにも不可欠で、スマホで撮った写真を共用スペースにアップロードするのはやはり手間である。
- デジタイザ(電子ペン):カメラが付き、2in1になるのであればぜひ欲しい。撮った写真にメモを入れることで現場からの報告がしやすくなる。個人的な利用でも部屋の模様替えの際の窓枠のサイズとか、部屋の家具を置くスペースなど写真そのサイズなどメモを併用したいシーンは結構多い。
- ユーザー定義ボタン:複合ショートカットを割り当てたい。小さくてもよいので8つ程度のユーザー定義ボタンがあるとGPD WinMini並みの操作性になるはずだ。
- LTE:
これらに加えてそこそこ音質の良いスピーカーを500g台の中で納めてくれると、自分的には最強だなぁと思うのである。
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