シャツを着たらスーパーマン?リライブシャツ レビュー

「令和の虎になんかすごいのでてるよ」と言ってきた相方と一緒に見たのをきっかけに、興味が出て買ってしまったリライブシャツ。この効果は本物なのだろうか。

※効果や感触はすべて個人の感想です

ある日、Youtubeで令和の虎を見ていた相方が「なんかすごいのあるよ」と言ってきた。
令和の虎は事業の企画者が、「トラ」とされる成功した経営者に対して事業計画をプレゼンして出資を求めるという内容の番組である。

その回は着るだけで筋力が増強され、柔軟性も高まるシャツへの出資を希望している人が依頼人とのこと。
最近はパワードスーツもいろいろなものが出てきて製造現場などでは実装が始まっている。それらを簡易にしたようなものだろうか。しかし紹介されているのはどう見てもただのシャツであり、勾玉のような模様がプリントされていてむしろ怪しく、とてもそんな効果があるようには思えない(勾玉プリントの意味はあるのか?これが普通の水玉ならむしろ信ぴょう性が高まりそうなのだが…)。

この手のアイテムは昔から多くて、特にクルマ関連で顕著だったように思う。いくつかの商品は効果なしとして消費者庁から注意喚起がなされていたはずだ。このシャツもそのような商法の一角だろう。令和の虎の経営者からもそう思っていたに違いない。ところが面白いように「効果」が発揮され、トラたちも驚嘆せざるを得ない。自分もおもしろそうだと思ってしまい、Amazonで検索したところ価格は7700円。シャツとしては高いもののAmazonのメンズシャツの売り上げで1位とのことであり、これで効果がないのであれば令和の一大問題商法になりそうだ。

特許取得済み?

この商品が他の怪しい商品と一線を画しているのは、特許を取っているところと効果を数値で公表しているところだろう。開発・販売をしている身体機能研究所のHPに特許番号が出ていたので調べてみた。
特許庁のHP
特許番号:6409143
これを確認すると、プリントの材質とか文様よりもその配置や幅が特許になっているようだ。プリントがされているところに普通のテープを貼っても効果があるらしい。このシャツならテープを貼るような手間がかかりませんよ、ということか。話半分でとらえたほうが良いかもしれないが、結構楽しみにしながら待つこと数日、リライブシャツが到着した。

商品が到着

大仰な保証書と、効果に関する冊子が入っている。7700円だけのことはある?
プリントは肌に触れる側にあるのだが、白いシャツだと透ける。これを着てると知られるのはなんとなく恥ずかく感じてしまう。

見たところ特に変哲のない化繊のシャツである。内側にはそれっぽい(怪しさを増幅させる)模様のプリントがある。製品紹介ではこのプリントの中に鉱石が練りこまれていて効力を発揮するという。

40代のおっさんが着たところ。着丈が長すぎるような。

商品が謡う効果は開発・販売をしている身体機能研究所のHPでご確認いただければと思うが、自分の関心が高かったのが柔軟性だ。自分は昔から体が固いほうで、前屈をして指先がつま先についたのは小学校1年生ぐらいまでだったと思う。
まずは普通のシャツで何回か前屈をする。着心地は悪くない。肌着というよりスポーツ用のTシャツに近い感じである。とはいえスーパーマンになったような感覚はなかった。軽く体を動かして、着用してからの再度前屈。

見ていた相方共々令和の虎の社長たちと同じように声が出た。「えーー!?」
明らかに先ほどよりも前屈できている。また、前屈したとき特有の膝裏の痛みが皆無だった。いやいや、プラセボかもしれない。「これがあればできるはず」という思い込みということもあり得る。この感覚を記憶しておいて脱いでからもう一度やってみた。おや、最初に着ないでやった時よりはできている気がする。ただし、着てやった時ほどではないかも。よくわからなくなってもう一度着てやってみた。「えーー!?」再度相方と声を上げることになった。指先が地面についた。物心ついてから指が付いたことなんてありませんよ。立位体前屈の最後の記憶は中学3年生のスポーツテストのときで-7cmだ(7cm届いていない)。これはやはりシャツの効果なのだろうか。
相方にもトライしてもらったところ、同様に着れば指が地面につく、着ないと付かないという結果になった。
二人とも令和の虎は見ていたのでプラセボの可能性はあるのだが、自分などは物心ついて初めて指が地面についたので感動した。

そのほかの効果は…

自分は毎週土曜日には筋トレを自宅で行っている。パワーも2~3割増し!という謡い文句があるので、筋トレで着用してみた。例えば懸垂では12kgの重りを付けた状態で6回というのが自分の限界である。
もし、2,3割筋力が上がるなら7回になったり8回になったりするかもしれない。ワクワクしながら試してみたものの、果たして結果は6回のままだった。サイドレイズやアップライトロウなども試してみたが、限界重量が増えたものはない。まぁこんなもんだよね、ということで筋トレを終了しかけて気付いたことがある。
トレーニングをこなす時間が短くなっていた。ワークアウト間の休憩は4分をしっかり計っている。そのうえで、メニューをこなすのにかかるのは1時間半程度としている。ところが、しっかり計ってアラームが鳴っても、そのあとだらだら休憩したりして、2時間半くらいかかることが多く、それ以上かかることもある。30代からほとんど同じメニューでやっているが、年を取るにつれ時間は伸びる傾向にあるとも思っていた。それが今回は1時間50分で終了した。リライブシャツを着ても負荷を上げられないことがわかって、何らかの結果を求めたからかもしれないが、このメニューをこなして2時間を切った事はないのではないか?
それから1か月たち、週末のトレーニングの際には毎回リライブシャツを着用しているが、途中で仕事が入った時以外は2時間を切り続けている。

まとめ

冒頭で怪しい商品の例としてクルマのパーツを上げたが、「バッテリーとアースの間に挟み込むと燃費とパワーが上がる」と謡う製品のテストモニターを募った人がいた。それっぽい金属製の箱に入ってケーブルが2本出ている製品で、これをバッテリーから出ているアースケーブルに並行するように結線すると上述の効果が得られる。モニターをして結果を報告してほしい、というのが募集の内容である。モニターからは「残念ながら体感できなかった」という声とともに「すごい効果」「ぜひ発売を」という声が集まったという。しかし、金属の箱の中には粘土が入っているだけで、実際にはケーブルは結線されてすらいない。種明かしがされ、モニターからは「だますなんてひどい」という声も上がったのだが、この期に及んでなお「いや、やはり効果はあった」という声もあったという。鰯の頭も信心から、というように人の思い込みはそれだけ強いのだ。
ただ、念ずれば通ずとか誰かのためなら頑張れる、といった信念から生じる人の強さはそこから生まれているようにも思う。

このシャツが人体に物理的な作用をしているのかは不明だ。しかし自分の場合、同じトレーニングをして30分以上時間が縮まるのであれば着ない手はないな、と思って毎週着ることにしている。