2022年登場予定のUMPCを比較する

2022年登場予定のUMPCを比較する

※このページは適宜更新予定です。

2022.11.19 OneX Player mini Proの情報を追加。他情報更新
2022. 9.19 AYANEO Airの情報更新(発売)、GPD Win4の紹介を更新
2022. 8.28 GPD Win4の紹介を追加
2022. 8. 9 Steam Deckの日本予約開始を追記
2022. 7. 20 AOKZOE A1,LOKI Zeroを追加
2022. 6. 4 PreOrderが始まったAYN LOKIシリーズを更新
2022. 5.30 GPD Winmax2 情報追加、AYANEO Air、AYANEO 2、AYANEO Slide、AYN LOKIを追記
2022. 4. 3 AYANEO NEXT、GPD WINMAX2を追記
2021.12.23 ONE XPLAYER mini、One-Netbook A1 Proを追記

UMPCをはじめとしてPCの性能や特徴を決定づけるものとしてCPUがある。
2020年はAMDのRyzen4000シリーズがノートPCを席巻したが、2021年はIntelの11世代Core CPUが大きく巻き返した。
2022年はIntelの12世代CPUであるAlder Lake搭載機が上半期に登場し、年末付近でAMDよりPS5に搭載されたRDNA2コアを搭載したRembrandt APUの登場が期待される。
Alder Lakeでは大幅なGPUの性能向上はない見込みだが、高速アクセス可能なDDR5メモリに対応するので2割程度の性能向上は見込めそうである。3DMarkのFireStrikeで6000を超えるぐらいだろうか。その後登場するAMDのRembrandtに対しては、個人的にFireStrikeの1万越えを期待しており2022年の真打だと思っている。

メーカーValveGame Pad DigitalONE-NETBOOKONE-NETBOOKAYANEOGame Pad DigitalAOKZOEAYANEOAYANEOAYANEOAYNAYNAYNAYNテックワンGame Pad DigitalNECパーソナルコンピュータ
機種名Steam DeckGPD Pocket3ONE XPLAYER miniOne-Netbook A1 Pro AYANEO NEXT(pro)GPD WINMAX2A1AYANEO Air(青春・標準・Pro)AYANEO 2 /GEEKAYANEO SlideLoki ZeroLOKI miniLOKI LOKI MaxONE XPLAYER min ProGPD WIN4LAVIE MINI
CPUAMD Zen2 4Core・RDNA2(8CU)Core i7-1195G7 Pentium Silver N6000Core i7-1165G7 Core i7-1195G7 Ryzen7 4800u Ryzen7 5700uCore i5-1130G7 Core i7-1160G7RYZEN7 5825URyzen7 6800u (28W)AMD Ryzen6800uRyzen5 5560u Ryzen5 5560u Ryzen7 5825uRyzen7 6600u Ryzen7 6800uRyzen7 6800uAthlon Silber 3050eIntel Celeron 7305 Intel Pentium 8505 (LOKI mini pro) AMD MendocinoAMD Ryzen6600uAMD Ryzen6800uAMD Ryzen6800uRyzen7 6800u Core i7-1180G7
Memory16GB LPDDR516GB LPDDR4 3733Mhz ※BIOSで4266Ghzに変更可能 (Pentium モデルは 8GB LPDDR4 2933Mhz)16GB DDR4 4266Mhz16 GB LPDDR4x16GB/32GB LPDDR4x 4266MHz16/32GB LPDDR5-6400LPDDR5 6400Mhz 16GB/32GB 8GB LPDDR4 3200Mhz 16GB LPDDR4 4266 MhzLPDDR5-6400 16GBLPDDR5-6400DDR4 2400Mhz 4GB(空きスロットあり)LPDDR4 4266Mhz 8GB(Intel) LPDDR5 6400Mhz 8GB(AMD) LPDDR5 6400Mhz 8GB/16GB(AMD) LPDDR5 6400Mhz 16GB(AMD) LPDDR5 6400Mhz 16/32GB LPDDR5-640016GB LPDDR4x
記憶装置64GB(eMMC)~512GB NVMe SSD512GB-1TB512Gb~2TB 512 GB PCIe SSD1TB – 2TB M.2 (NVMe) 2280最大16TBM.2280 PCIe3.0 ~2TB128GB-2TB512GB-2TB??eMMC64GB+M.2 2230 スロット128GB128GB-512 GB512 GB??最大2TB256GB
画面サイズ7インチ(1280×800)8インチ(1920×1200) 7インチ(1920×1200)7インチ(1920×1200) 7インチ (1280×800)10.1インチ(1,920×1,200/2.560 x 1.600)8インチ(1920×1200)5.5インチ(1,920×1,080)7インチ(1920×1080)??6インチ(1280×720)6インチ(1920×1080)6インチ(1920×1080)6インチ(1920×1080)??6インチ(1,920×1,080)8インチ(1920×1200)
本体サイズ(mm)298×117×49198×137×20262 × 107 × 20173× 136× 19267×112×30 228×160×23282×125×XX224×89.5×26.7 224×89.5×29.6??????????????220×92×??200×147×16.95
本体重量669g725g589g~619g550g720g1005g668g/729G(大バッテリーモデル)395g-450g??????362g????599g570g579g
デジタルペン×〇(Surface Pen)××〇(Surface Pen)??×??????????????????
カメラ×〇(フロント)×××??×????????????????〇(フロント)
スピーカーステレオステレオステレオモノラルステレオクァッドスピーカーステレオステレオ????ステレオステレオステレオステレオ??ステレオステレオ
バッテリー40Whr10,000mAh(38.5Wh)10,455mAH6,000mAh47WH67Wh48Wh/65Wh28Wh-38Wh????40.5Wh26.5Wh/40.5Wh(Loki mini pro)40.5Wh46.2Wh??45.62Wh7027mAh
拡張ボートUSB-C(DP)、MicroSDUSB3.2×2、LANポート,フルサイズHDMI,Thunderbolt4(PentiumモデルはTypeC)USB 4.0 Type-C×2, USB 3.0 USB-C 4.0, USB 3.0,Micro HDMI Micro SD,RS-232 シリアルポート,LANポートDisplayPort 1.4,USB-CThunderbolt 4、USB3.2×3 SD+MicroSD PCIe gen4 solt×2 USB4.0×2,USB3.0,MicroSDUSB-C×2、microSDカードリーダー????USB4.0,MicroSDMicroSD, ‘USB4.0(intel) USB3.2(AMD)USB4.0,MicroSDUSB4.0,MicroSD??Thunderbolt 4、USB3.2×3 SD+MicroSD PCIe gen4 solt×2 Type C(USB 3.1)×2
その他ゲームパッド、 左右トラックパッド、カスタマイズキー×4 ※WindowsOSを導入可能な見込み2in1、選択モジュール構造(USB3.2、HDMIキャプチャーモジュール、RS232Cを選択的に搭載可能)、ストラップホール、バックライト付きキーボードゲームパッド、ストラップホール、専用ドッキングステー、ション(別売予定)2in1、バックライト付きキーボードゲームパッド(ホール効果センサージョイスティック)ゲームパッドカバー 、4G LTE、ThunderBolt4、バックライト付きフルキーボードゲームパッド、ジャイロスコープ,カラーバリエーション,ターボ機能ゲームパッド、指紋認証(青春版以外)、設定可能TDPにバージョンごとに差異(青春版:5-12W、Pro:5-18Wなど)、2軸ジャイロ、カラーバリエーション、ドッキングステーションゲームパッド,指紋認証ゲームパッド、スライド式キーボードゲームパッド、ジャイロスコープゲームパッド、ジャイロスコープゲームパッド、ジャイロスコープゲームパッド、ジャイロスコープ??スライドディスプレイ、メカニカルキーボード、4G LTE(外付け)、バックライト付きキーボード、ポインティングデバイス、LEDイルミネーションショルダーボタン、ドッキングステーション(Win3共用)取り外し式ゲームパッド、ドッキングステーション、丸形キーボード、2in1
登場予定発売中(日本では予約受付中 2022年末出荷予定)発売中発売中発売中発売中2022年11月2022年11月発売中2022 Q42022 Q42022 Q42022 Q42022 Q42022年末クラウドファンディング予定CES2021に参考出展
参照URLメーカーサイト メーカーサイトメーカーサイトメーカーサイトメーカーサイトメーカーサイトメーカーサイトメーカーサイトメーカーサイトメーカーサイトメーカーサイトメーカーサイトメーカーサイトメーカーサイト

そんな2022年は年初から2台のUMPCが登場予定である。
1つは2021年11月の発売が予定されていたValve社のSteam Decで、もう一つはGPD社のGPD Pocket3だ。

Steamのゲームがプレイできるポータブル端末「STEAM DECK」(公式サイトを開きます)はPCパーツで構成されているため、WindowsOSを入れることもできるとされている。パーツの調達の関係から2021年11月の発売から3か月ほど発売日が伸びている。Core i7 1185G7 同等の性能を持ちつつ、記憶容量を絞り込むと低廉な価格になる点が魅力である。日本での発売予定が現時点で不明なことと、最低スペックでは実用性に響くぐらい記憶容量が少なくなる点は留意がいりそうだ。

GPD Pocket3」(メーカーサイトを開きます)はモジュール機構を備えた2in1ミニノートPCで、カメラやデジタイザを備えるだけでなく上位モデルではCorei7 1195G7を搭載し、現在最高レベルの性能を備える。それだけでなくユーザーの利用目的に応じて後部モジュールを組み替えることができる。自分としてはここに外部カメラが搭載できると、ホワイトボードを撮ったり気になる資料をスクラップするなど使い道がありそうだと思っている。2021年11月29日時点でIndieGOGOでは本機のクラウドファンディングを行っているが、モジュールのクラウドファンディングも募ってほしい。今どきのノートPCとして厚めなボディと8インチサイズとしては重い重量、華奢に見えるヒンジは気になる点である。

2021年に発売されなかったNECのLavie MINIにも期待を残しておきたい。低消費電力のAlder Lakeにより8インチかつ500g台で現実的な時間のバッテリー駆動が可能であれば魅力的ではないだろうか。

「ONE XPLAYER mini」(メーカーサイトを開きます)はTiger Lake世代のWindowsモバイルゲーム機の集大成のようなマシンである。ONE XPLAYERからほとんど機能を削ることなくボディを小さくし、Steam Deckよりも公称ではあるが10%以上軽量化され、ボディのサイズも1周り小さく可搬性に優れる。液晶は同じ大きさだが解像度はONE XPLAYER miniのほうが高い。またUSB4.0のポートが機体の上下についているのも使い勝手がよさそうに見える。GPD Win3に慣れた自分としてはキーボードが付きがやはり良いと思うが、それが割り切れる人には有力な選択肢になるだろう。

「One-Netbook A1 Pro」 (メーカーサイトを開きます)はOne-Netbook A1のCPU強化バージョンである。TigerLakeになったことでeGPUサポートも明言されており、処理性能だけでなく拡張性も大きく上がったといえるだろう。スピーカーへの言及がないのでOne-Netbook A1同様モノラルスピーカーと思われる点が残念である。回転画面を備えているが、こちらもGPD Pocket3と同様ヒンジの強度は気になるところだ。高さのあるLANポートを内蔵するための構造だと思うのだが、この冬登場する両者はどこまで強度に配慮されているのだろうか。

「GPD Winmax2」構想が発表されたが、ノートPCにできることを全部ぶち込んだような内容である。特に64WのCore i7 1280Pを入れているあたりはこのサイズで本当にドライブできるのか心配になると同時に、ちょっと勘繰ってしまう。ブーストして64WとなったCore i7 1280Pの瞬間最高性能はRyzen 6800u(28W)より高くなるはずで、ラインナップの中で最高性能はIntel CPUのバージョンということになるはずだからだ。従来の2倍近い消費電力と発熱量に対応するための大型バッテリーや放熱機構でどれだけ厚みや重量が大きくなるかは気がかりである。(発表当初は初代Winmaxより薄くなるという情報もあったが、イメージ図を見るとほとんど変わっているようには見えない)
高発熱のIntel CPUに対応するためにGPD Winmaxが巨大化したのだとしたら、以前からRyzenを採用しているAYANEOに期待したいところだが、現時点で発表されている「AYANEO NEXT」(メーカーサイトを開きます)が依然として第7世代のRyzen 5825Uというのはちょっと残念なところである。

発表情報をもとにGPD Winmax2の情報を更新した。気がかりなのは重量が1Kgを超えているところだ。4スピーカー、SurfacePen対応などは魅力的なのでもう少し軽くならないだろうか。

5月下旬になって、AYANEOより新製品が続々ラインナップされた。夏場に出るAYANEO Airは断トツで軽く、価格も抑えられており、カラーバリエーションも多いのでWindowsゲーム機のすそ野を広げる力があるかもしれない。そしてそれよりさらに軽量で低価格を謳った製品がAYN LOKIである。AYANEO AirはCPUがRyzen 5825uに留まるが、LOKIはRyzen6800uまでラインナップするという情報があり、今後の詳報が気になる。また、HPに掲載されていた事前告知が今時点では見えなくなっているところも気がかりな点だ。AYNは何となくAYANEOを想起する名称だが資本関係は不明である。
LOKIシリーズが見えなくなっていたのはPreOrderの準備だったようだ。現在はLOKI miniからLOKI Maxまで事前購入や予約ができるようになっている。押しなべて発売がQ4となっているので手元に届くのは早くて10月になりそうだ。Loki miniの価格はゲーミングUMPCの中で最安値圏であり、先日発表されたAyaneo Air以下の重量も魅力的だ。
一方、CPUが明らかにされているIntel版のPentium 8505やCeleron7305はGPUがIris Xeではなく旧世代のUHDとなっている(Intel製品ページ)。この点はゲームプレイでは不利になりそうである。
ただし、このCPUたちはインテル® Thunderbolt™ 4 テクノロジー に対応し、LOKI miniもUSB4.0に対応と記載されているので、外付けGPUボックスにつなげられれば、有線とはなるものの軽さを生かして寝っ転がったり自由な姿勢で手元で最新タイトルをプレイすることが可能かもしれない。

さらにAMDの低消費電力版CPU Athlon Silber 3050eを搭載したLoki Zeroが発表された。低価格路線を追求した構成になっており、200ドルを切る価格設定となっている。メモリやストレージは最低限であるものの、スロットの空きがアピールされているのでユーザーが追加することもできそうだ。CPUの性能には期待できないがTDPも6Wで低消費電力であることから静穏・長時間の駆動ができそうだ。

新たにAOKZOE(Youtubeによるとエイオーケーゾーイと発音するらしい)からA1が発表され、Kickstarterで投資を募っている。CES 2020で発表したコンセプト機「UFO」にAMDの最新APU(Ryzen6800u)を載せてきたぜ!ということなのだが、すみません。忘れていました。ただ、元からコンセプト機があったからなのか、他の商品群に先駆けて発売されそうな勢いがある。自分がこの機体でよいと思うのはバッテリーの大小が選べるところだ。大容量バッテリーは重い。TypeCのPD充電で外部バッテリーが標準化されたため、必ずしも内蔵バッテリーが大きい必要はないと思っている。「Ryzen 6800u搭載機で最も軽い」となれば、注目度もさらに高まりそうである。

2022年8月。ついにSteam Deckの日本での発売が告知された。ただ、発送は2022年の年末予定ということで、より高性能なRyzen6800uを搭載した複数のライバル機が秋口に控えていることを考えると、ちょっと微妙な時期という感じもある。
それに追い打ちをかけるようにGPD Win4が発売されるようだ。基本的な構造はGPD Win3と同様のスライド画面だが、画面が5.5inchから6inch(1980×1080)となり、キーボードが物理キーとなり、光学タッチパッドを備えている。ホールセンサータイプのジョイスティックは長いものと短いものユーザーの好みで使い分けられるという。
APUはRyzen6800uということだから性能面はWin Max2などと同等と考えられる。GPDのこれまでのリリースタイミングから見ると、Win4は次のAPUのタイミングだと思っていたので少々意外である。AYANEOやAOKZOEなどの動きを見据えて、ということかもしれない。
テックワンからもRyzen6800Uを搭載したONE XPLAYER mini Proが告知された。

画面はもう一回り大きく、6.5-7inchクラスになると嬉しかったが、性能の向上とキーボードの物理化、光学タッチパッドの搭載によりWEBマシンとしてもひそかに使い勝手が上がっていそうで、Win3からの乗り換え先として十二分に値すると思われる。現時点で重量が570gというのもうれしい点で、GPD Win3はカバーを付けると670g程度だったので実質的な軽量化だ。以前も記載したようにTypeCのPD充電が普及した今では必要に応じてバッテリーは外付けにできるので、できるだけスリムで軽い素体が自分としては魅力的だと思う。

2022年も11月の下旬を迎え、一部メーカーはクラウドファンディング分の出荷が始まっているが、今年の冬のUMPC界隈はRyzen6800U一色である。Ryzen6800uを搭載したPCはPS4Proの8割程度のゲーム性能を備えるため、個人的にはノートPCを含めたポータブルデバイスの概念を変える可能性があると思っている。一般メーカーからあまりRyzen6800U搭載機の発表がないのは、ミニPCメーカーが買い占めているからなのだろうか。ただ、昨年の投稿にも記載したが、その性能を発揮できるかどうかは熱設計によるところも多い(見たところ同じAPU・メモリ構成でも10%程度差が生じることもあるようだ)ので、今から購入を検討するのであれば各社の製品の性能レビューを確認してからにしてもよいのではないかと思う。