2021年登場予定のUMPCを比較する

※このページは適宜更新予定です。
2021/ 1/10 LAVIE MINI追記, GPD WIN3 クラウドファンディング開始を追記
2021/ 5/ 7 ONE XPlayer追記、その他情報更新
2021/ 5/23 GPD Win3 の開封レビュー記載(レビューのページを開きます)

2021/ 7/ 2 GPD WinMax2021を追加ほか表を更新 
2021/ 7/18 Valve STEAM DECKを追加 

2021年にも複数のUMPCの発売が予定されている。

Windows10Xの様子

2020年の目玉の一つと個人的に期待していたMicrosoftのWindows10Xは登場が2021年の第一四半期といわれている。また、2画面のサポートも2022年にずれ込み、当初は廉価でバッテリー持ちの良いPCとして教育分野などを中心に展開されるようである。

Microsoft finalizes Windows 10X update ahead of Spring 2021 launch

https://www.windowslatest.com/2020/12/13/microsoft-finalizes-windows-10x-update-ahead-of-spring-2021-launch/

また、少なくともWindows10Xは、当初はWin32アプリをローカルで起動することはできず、クラウド上でのストリーミング実行になる可能性があるようだ。

Microsoft leaks Windows 10’s new mysterious “Cloud PC” service

https://www.windowslatest.com/2020/11/25/microsoft-leaks-windows-10s-new-mysterious-cloud-pc-service/

そうなると方向性としてはWindows RTに近いということで、興味も減退気味だったりするのだが、5GやDocomoのahamoサービス、AppleのM1 CPUの登場などで環境もどんどん変わってきているので、メーカーのやる気次第で軽量OSを使った新しいデバイスが生まれる可能性には期待が持てると思う。

2021年登場のUMPC

より現実的な小型PCとして以下の4台の登場が見込まれる。

メーカーONE-NETBOOK TechnologyGame Pad DigitalAya NeoONE-NETBOOK TechnologyONE-NETBOOK TechnologyGame Pad DigitalValveNECパーソナルコンピュータ
機種名OneGX ProGPD Win3Aya Neo FounderOne Mix4ONEXPLAYERGPD WinMax2021Steam DeckLAVIE MINI
CPUCore i7-1160G7Core i7-1165G7 Core i5-1135G7AMD RYZEN7 4500uCore i5 1130G7 Core i7 1160G7Core i5-1135G7  Core i7-1165G7  Core i7-1185G7 AMD RYZEN7 4800u Core i7-1185G7 / 1165G7AMD Zen2 4Core・RDNA2(8CU)Core i7-1180G7
Memory16GB LPDDR4X-4266Mhz16GB LPDDR4X-4266Mhz16GB LPDDR4X-4266Mhz8GB / 16GB LPDDR4X-3200Mhz16GB LPDDR4X-4266Mhz16GB LPDDR4X-4266Mhz16GB LPDDR516GB LPDDR4x
記憶装置512GB/1TB (M.2 2242) ※1TBはSIM無版1TB(M.2 2280)※片面実装NVMe SSD 512GB256GB/512GB/1TB M.2 2280 PCI-e NVMe最大2TB1TB(M.2 2280 片面実装)64GB(eMMC)~512GB NVMe SSD256GB
画面サイズ7インチ(1920×1200)5.5インチ(1,280×720)7インチ(1280×800)10.1インチ8.4インチ(2560×1600)8インチ(1,280×800)7インチ(1280×800)8インチ(1920×1200)
本体サイズ(mm)173×136×21198×92×27255×106×20227×157.3×9~17288×130×21207×145×26298×117×49200×147×16.95
本体重量623g560g650g769g820g790g669g579g
デジタルペン×××××??
カメラ×××××××〇(フロント)
スピーカーモノラルステレオ(AAC製リニアスピーカー)ステレオモノラルステレオステレオステレオステレオ
バッテリー12000mAh3,800mAh x312700mAh 10,000mAh16000mAh(?)15000mAh40Whr7027mAh
拡張ボートType C(USB4)×2、USB A(3.0)×1 MicroHDMI、MicroSDスロットUSB4(Type C)×1、MicroSDスロット ドッキングステーションにHDMIやUSB Aなどの端子を配置Type C、USB A、MicroSD 、Display Port1.4Type-C USB3.0 ×1 Type-C USB4.0 ×2USB4.0 x2 USB-A 3.0 Micro SDUSB4.0:2 1185G7 / 1165G7 のみ USB 3.2 Type-C:2,4800U  のみ USB Type-A:2 ,3.2 Gen1 共通USB-C(DP)、MicroSDType C(USB 3.1)×2
その他取り外し式ゲームパッド,SIMスロット(4G,5G対応),バックライト付きキーボードゲームパッド,静電容量式キーボード、バイブレータゲームパッド,バイブレーター、筐体のRGBカラーでの発光機能2in1デタッチャブルマグネットキーボード、折り畳み式スタンドIntelモデルは外付けeGPUボックスに対応するが、AMDモデルは未対応ゲームパッド、 左右トラックパッド、カスタマイズキー×4 ※WindowsOSを導入可能な見込み取り外し式ゲームパッド、ドッキングステーション、丸形キーボード、2in1
登場予定発売中7月よりECサイト、量販店で販売中7月 IndieGOGO出資分が発送中発売中7月 IndieGOGO出資分を発送中 8月 一般発売予定7月中にIndieGOGOでプロジェクト開始予定2021年12月発売予定(日本発売は未定)CES2021に参考出展
参照URLティザーサイトGPDホームページAYA NEO HP公式ページティザーサイトGPDホームページSTEAM DEC ホームページ メーカーサイト


まずはONE-NETBOOK TechnologyのOne-GX Proである。これは2020年に発売されたOne-GX1 のCPUをCore i5-10210Y から Core i7-1160G7に強化したもので、特にグラフィックス性能は2~3倍程度向上している可能性がある。 また、特徴的なゲームパッドの分離合体機構やSIM対応、デジタイザの対応などは据え置きとなっていて、重量もi5-10210Yと同等の623gとなっている。7インチのディスプレイと相まってカンファレンスのメモ取りなどにも使いたい自分のようなユーザーにはマッチしているかもしれない。One-GX1 Proの発売日は2021年1月31日が予定されている。

つぎはGPD Win3で、これまでのGPD Winシリーズから更にゲームを主眼に置いたフォルムになった。GPD Win1やWin2と比べるとGPD Win Max はミニノート側に振ったデザインになっているが、Win3では「ゲームしない人は買わないでしょ」という方向性が打ち出されている。性能もCore i7-1165G7が搭載され、公称1.933TFlopsのグラフィック処理能力はPS4(1.83TFlops)を超える程である。
フォルムも個性的だ。往年のVAIO Uを訪仏させるスライド機構をとり、キーボードを割り切って静電式タッチキーにしている。キーの刻印はされているが押下することはできず、触れることで入力が認識されるキーボードとなる。キー入力時にはバイブレーターによるフィードバックを行うということで、「ログインパスワードやショートメッセージがスクリーンキーボードよりは簡単に入力できますよ」という割り切った代物だ。これにより機構が減って故障率を下げ重量も軽くなるので、コンセプトには合致していると思う。ただ、500g台の重量を実現したのは素晴らしいが、5.5インチという画面サイズは今どきのスマホよりも小さく、解像度はともかく、もう一回り大きくできなかったのかな、という点は残念に感じる。今回はスピーカーに力を入れているようで、個人的には魅力的に見える。
5月7日時点で株式会社天空(サイトを別画面で開きます)およびデントオンラインショップ(サイトを別画面で開きます)で予約を受け付けている。

さらに、ダークホース的に登場してきたのがAya Neo Founderである。Aya NeoはAMD のRyzen5 4500uを搭載したハンディゲーム機型のゲーミングPCである。GPD Win3よりさらにゲーム機寄りのフォルムとなっており、キーボードを搭載していない。その代わり画面がGPD Win3より大きく、PCゲームには向いているように思える。また、キーボードを搭載していない代わりにESCなどの特定の機能を持った物理キーを複数配置しており、スクリーンキーボードをワンクリックで呼び出せるボタンもあるので、最低限の使い勝手は確保されているようだ。Ryzen5 4500uのGPU性能はCore i7-1165G7の6割程度の性能に留まるが、後述の熱処理の問題があるので実際の性能は発売されてみないとわからないところがある。中国国内では予約・販売を開始しており、海外向けはIndiegogoによるクラウドファンディングを予定しているとのことだ。その際に4700uなどの上位のAPUが乗れば性能差は縮まる可能性がある。

One-GX Pro、GPD Win3、Aya Neoのいずれも最近のCPUの実性能は排熱処理に大きく依存する。intelなどは「性能はベンダーの熱設計次第」と言い切っているぐらいである。このため、実際の性能は販売されてみないとわからない。また、Ryzen搭載のゲーミングPCはこれまでも数多く予告されてきた。GPD社も検討したことがあるようだが、「AMDのサポートが十分ではない」という理由でキャンセルされている。AMDの企業体力ではマイナーメーカーやベンチャー企業までサポートするのは困難で、ベンチャーや小規模事業者にとっては特定のベンチマークテストやゲームをデモ的に稼働させるだけならともかく、PCとして稼働させるのは難しいものと考えられる。果たしてAya Neoは安定して稼働するのだろうか。

また、画面のサイズからUMPCという規格から外れてしまうが、ONE-NETBOOK TechnologyのOne Mix4も気になる存在である。こちらはディスプレイサイズが10.1インチの狭額縁2in1であり、重量は769gを予定しているという。One-Netbookの公式サイト(別画面で開きます)で予約を受け付けている。659gのOne Mix3が700gだったことから、実測800gぐらいになりそうではあるが、バランスが良ければ魅力的なポータブルPCになりそうである。

2021年1月、CESに向けてNECよりLAVIE MINIが参考出展ながら発表された。Core i7-1160G7より上位のCore i7-1180G7を搭載し、着脱式のOneGX Proのようなコントローラーにも対応。顔認証でログインできる使い勝手の良さを備えている。キーボードの打ちやすさに配慮した8インチの2in1機を579gで実現している点は革新的だと思う一方、バッテリーがここに挙げたUMPCの半分程度に留まるのは懸念材料だ。また、ベゼルが太いことやあえてUSB4(Thunderbolt3)に対応しなかったという点も残念である。参考出展ということで、正式発表するとしても半年以上先になると思われるが楽しみな端末が増えたのは間違いない。

2021年5月、ONE-NETBOOK TechnologyよりOne XPLAYERが発表された。ほかにはない1185G7、8.4インチの(UMPCとしては)大きな画面にゲーム機を強く意識したボディデザインながらカバーにもなる着脱式キーボード、スタンドもついて自立可能という、後発らしく全部盛りといってもよいスペックになっている。今年の夏に発売予定ということでスケジュールも気合十分だ。何より、One-Netbook社の製品としては珍しくスピーカーがステレオであり、しかも裏ではなくフロント側を向いているというのが良い。こちらもOne-Netbookの公式サイト(別画面で開きます)が存在し、情報提供を行っている。

2021年7月、ゲームプラットフォーム最大手のValve社より自社のゲームプラットフォーム Steamのゲームがプレイできるポータブル端末「STEAM DECK」(公式サイトを開きます)が発表された。発売は2021年の12月を予定しているという。ゲーム専用機は自分の興味範囲ではないのだが、このSTEAM DECK はPCパーツで構成されているため、WindowsOSを入れることもできるようだ。搭載されるCPUは現時点では発表されていないAMDの低消費電力版のAPUで、グラフィックスコアにPS5にも搭載されたRDNA2を搭載している。そのためレイトレーシングに対応しているという点も見逃せない。解像度は上げられないだろうが、このサイズでレイトレーシングを再現できるのは楽しみになる。また、ハードウェアの注目点としてメモリがDDR5となっており、これによる性能向上も見どころだ。
ゲームもWindowsも、という自分の観点でSTEAM DECKを見ると、圧倒的な強みは価格だ。カタログスペック的(システム演算性能2TFLOPS。消費電力チップコスト低減でこのチョイスになっていると思料)にはGPD Win3やOne Xplayerと同じ(1165G7が1.94 TFLOPS)ぐらいの性能と予想されるが、PS4並みの性能が399USDからというのは魅力的である(ただ、最廉価バージョンはeMMCでディスクアクセスが遅い上、64GBのストレージだと昨今のPCゲームだと2本入れられるかどうか…となってしまいそうだ)。また、IntelのCore i7 1165g7をはじめとしたTiger Lakeは性能はともかくいくつかのゲームタイトルが動かないとか、画面が乱れるといった問題を抱えており、AMD のRyzenはそのような問題はでていないらしいことから、安定性も高いことが期待される。
サイズの大きさは難点だが、タッチパッドを左右に配している点も使い勝手がよさそうで、気になる端末が増えたのは喜ばしい。
また、AMDのRDNA2搭載APUの開発が順調に進んでいるのであれば、2022年の夏前にはAMDのRembrandt APU(Ryzen 6000シリーズ CPU : Zen3+ 、GPU : RDNA2 12CU)を搭載し、3TFLOPSを越えるPS4 ProレベルのGPD Win4 とかOne Xplayer2 が期待できる。そこまで行くとVRを駆動させる端末にもできることから新しい使い道が生まれそうで今から楽しみである。