ニュース記事を追っていると、面白そうだったり便利そうなサービスや商品が日々生まれている。しかし、それらは使いたいときに使えるかというとそうではない場合も多い。あらかじめ設定が必要だったり予約が必要だったり、売り切れていたりするからである。「そういえばここでは面白そうなことをやっていたぞ」ということに思い至っても「その場ですぐ利用」とはならないことも多い。このため、興味を持ったサービスは時間のある時に試すように心がけている。(GPD Pocketを購入したのもその辺りが発端だったような気がする)
そんなわけで暮れも押し迫る2018年12月某日、発表があってから気になっていた「STATION BOOTH」を利用してみた。
JR東日本は”駅ナカ シェアオフィス” 「STATION WORK」と銘打った取り組みを行っている。STATION BOOTHはその一環の実証実験でJR東日本の鉄道改札内で電子ロックを設けた個室空間を提供するサービスである。
ちょっと余った時間つぶしや他人に見られたくない情報の整理、プレゼンテーションの練習などに使えそうだ。
概要 | スマホやPCで利用予約できる駅ナカ個室。時間になったらブースのドアのQRコードをカメラで読み込むとドアが開く。中には机やいす、外部ディスプレイのほかヒーターなどの設備あり。食事と飲酒は禁止。ドリンクを飲むのはOK。 |
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設置個所 | 東京、新宿、品川駅 |
利用可能時間 | 9時 - 21時 |
1回あたりの利用時間 | 15分 or 30分 ※5分間のインターバルが設けられるので基本的には次の利用者と顔合わせをすることはない。 |
利用申請 | 必要(個人でも申請可能) |
リソース | 法人用各駅2基、個人用各駅2基 |
費用 | 無料(実証実験中) ※~2019/2/20 |
URL | https://www.stationwork.jp |
さて利用するためにはSTATION WORKのWEBサイトより利用登録する。
利用時には電話ボックスのような個室のドアのディスプレイにQRコードが表示されるので、これをカメラで読み取ると鍵が開いて利用できるようになる。特徴的なのはアプリではなくブラウザベースでサービスが提供されているという点だ。実際に利用したわけではないが、カメラがあればWindowsマシンでも利用できるのではないだろうか。Surface Pro4で同サイトにログインし、「QRコードを読み取る」というメニューを表示させると特にエラーは出なかった。
一方、iPhone SEのEdgeアプリでアクセスすると「標準のSafariを利用してください」との警告がでた。利用するブラウザには注意がいるかもしれない。
最近はアプリが増えてどこにページにどのアプリがあるかわからないことも多いとはいえ、「お気に入り」の中で行方不明になったことを考えると、やはりアプリのほうが便利だと感じる。実証実験ではAppleやGoogleの認可の手間を考慮してブラウザサービスになっているものと思料する。
小生は東京駅で利用することに決め、申請を行った。
予約は地図から利用したい駅を選択して開いている時間に15分単位で登録するだけなので簡単だ。ただ、これも実証実験だからだと思うが時間の設定画面も粗削りな印象でちょっと戸惑った。縦2本がそれぞれブースの1号機と2号機を表しており、 色が薄いところが空き時間を表している。
使ってみた感想
狭いのは間違いないが1時間程度作業をするには問題ない広さだった。うるさい駅内にあって室内はかなり静かに保たれており、むしろ会社の自席より集中できる。ちょっとお昼寝をするにも良いかもしれない(爆睡すると迷惑になる可能性があるので注意が必要だが)。
終了5分前と終了時点で音声の案内がある。それでも退出しなかったり、決まりに反した利用の仕方をしていると係員が訪れて注意を促すということだ。
東京駅の場合、現時点ではかなりわかりにくい場所にあると思うが、それでも稼働率はかなり高いとのことだった。有料でも使用したいとは思うが、需要を満たすためにはかなりの台数を設置する必要があるように思う。また、泥酔した状態で利用して寝る、汚す、器物の損壊をはじめ懸念される問題は枚挙にいとまがないほどだが、ぜひ実運用までこぎつけてほしいサービスだと感じた。