ENVY x360 13-ay0000 (Ryzen 7 4700U) レビュー③ ベンチマークテスト 

Ryzen4700uの性能をいくつかのベンチマークテストで検証した。ENVY x360 13はレビュー②まで行った状態になっている。

■ベンチマークテストのパターン

  1. サーマルプロファイル:「HP推奨モード」(デフォルト)
  2. サーマルプロファイル:「パフォーマンス」
    電源設定:最も高いパフォーマンス
  3. エアフロー改善(2+後部に脚をつけて浮かせ、排熱効率向上を図った)
F12キーでも呼び出せるサーマルプロファイル。HP推奨モードとパフォーマンスモードで計測
サーマルプロファイルとこちらがどういう関係にあるのかまだわからないが、HP推奨の時は高パフォーマンス、パフォーマンスモードの時は最も高いパフォーマンスに設定した。
背面からかなりの勢いで温風が排出される。こうして台を置いて浮かすことで吸気や排熱の効率が上がって性能が上がるのではないだろうか。

計測ベンチマーク:Passmark、PCMark10、3DMark(FireStrike、Time Spy)

CPUの性能を計測するPASSMARKのCPU Mark。エアフローー改善の結果。
エアフロー改善を図ったものが最高値となった。排熱しやすくすることは意味がありそう。
こちらはエアフローを改善してもほとんど数値は変わらない。十分高い値ではある。
総合的なPCの性能を計測するPCMark10 。エアフローー改善の結果。
3DMarkのFire Strikeの結果。こちらもエアフローを改善してもほとんど変わらないが、若干向上している。
エアフローー改善の結果。スクリーンショットを取り忘れてしまった。グラフィックスコアは3604、Physicsは14090、Combined Scoreは1137となっている。
3DMarkのTime Spyの結果。
エアフローー改善の結果

■結果と考察
ノートPCとして非常に高いパフォーマンスだと思う。
そもそも、ベンチマークテストのインストールにしてからが、自分がこれまで見たパソコンの中で断然速かった。
ゲームの性能も、「ちょっとパソコンゲームもしてみたい」という自分ぐらいのユーザーであれば十分使い物になるレベルだと思われる。

また、後部を上げたほうが排熱効率は高まると思うのだが、PassMarkと異なりPCMarkや3DMarkではスコアにあまり反映されていない。
電力の使い方を見ていると、PassMarkのCPU Markや3DmarkのPhysicsの計測中は50W近くまで上がるのに、グラフィックスメインになるとFire Strikeだと38W、Time Spyだと32Wぐらいに下がる。Ryzen4700Uをはじめとした4000シリーズはCPUコアとGPUコアとで熱を融通する機能があり、CPUが求められる時はCPUに優先的に電力(と熱の排出権)を回し、GPUが求められる時はそちらに配分するという動きをするらしい。これを考慮すると、CPUは冷却効率の向上による上昇余地があるのに対し、GPU側は冷却能力を高めても伸びない ⇒ GPUは性能に対して十分な冷却能力がある、ということができそうである。

CPU MarkやPhysics計測中は50W近くまで上がる
FireStrikeのGraphicsテストでは38W程度となる

サーマルプロファイルをパフォーマンスモードにして全開状態になるとファンの音はかなりうるさいが、HP推奨モードでは気になるほど回ることはほとんどない。ベンチマークの結果からも体感でも十分高速なので、いつもはHP推奨モードにしておけばよいだろう。グラフからは大きな違いはないように見えるが3DMarkの場合は画面を見ていてもスムーズさに違いが感じられるので、ゲームをするときにはパフォーマンスモードのほうがよさそうである。f12キーでサーマルプロファイルを手軽に切り替えられるのはよく考えられているな、という印象だ。

何をしても高速で快適なので、スマホで十分なYoutube動画をわざわざEnvy x360で見るなど、むやみに使いたくなってしまう。非常に使い出のある高性能機といえると思う。