今回は、冷却対策の改造を施したGPD Winmini 2025(HX370)のベンチマークテストを行い、パフォーマンスを検証した。
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テストに使用したベンチマークは以下の通り。
- PassMark
- PCMark 10
- 3DMark(FireStrike、TimeSpy、SteelNomad)
- FF15 ベンチマーク
- CyberPunk 2077 ベンチマーク
- Monster Hunter Wilds ベンチマーク
■GPD Winmini 2025のスペック:AMD Ryzen AI 9 HX370、メモリ:64GB。 (メーカーページ)
TDP(消費電力の目安)設定は15W / 25W / 35Wの3種類でテストを実施した。高いTDP設定での性能向上は期待できるものの、熱や電源供給の問題からか不安定になる場面もあった。
※これは改造した自分のGPD Winmini2025 (IndieGOGOのクラウドファンディング版)の結果であり、その他のクラウドファンディング版、市販版は異なる結果になりえます。
※このページは改造を推奨するものではありません。改造などは自己責任でお願いします。
TDP設定の全体傾向
はじめに結論を述べると、TDPを30Wや35Wに設定すると、3DMarkなど短めのベンチマークでは性能がしっかり伸びる一方、FF15やMonster Hunter Wildsなど長時間負荷がかかるテストでは熱の影響や電源の不足で最終的に息切れを起こし、スコアが落ちることが確認された。
そのため、自分のGPD Winmini2025が総合的に安定してパフォーマンスを発揮できるのは25W程度ではないかというのが今回の結論である。ただし、改造による冷却強化もあり、一般的なHX370機と同等かそれ以上のベンチマーク結果が得られている。
PassMark

PassMarkでは、TDPを上げるほど順当にスコアが向上した。15Wから25W、さらに35Wにかけてパフォーマンスが上がっていることがわかる。

PCMark 10

こちらもTDP上昇に合わせてスコアが向上し、ビジネス用途のアプリケーションやWebブラウジングなど総合的な処理性能が引き上げられた。会社のPCをGPD Winmini 2025に置き換えたら生産性が向上するかもしれない。

3DMark(FireStrike、TimeSpy、SteelNomad)

ゲーム性能を測定する3DMarkでは、35WまでTDPを上げるとスコアが大きく伸びた。短いベンチマークテストであれば、冷却改造の効果もあってか熱によるパフォーマンス低下は起きないようであった。
ただし、この後に紹介する実際のゲームベンチでは、テスト時間が長引くほど熱や電源供給がボトルネックになるケースがみられた。



FF15ベンチマーク

「ファイナルファンタジーXV ベンチマーク」では、TDPを35Wに設定するとスムーズに感じる場面もある一方、大幅にfps(フレームレート)が落ちるタイミングがみられ、体感が不安定だった。
特に長時間負荷のかかる後半で熱ダレが発生しているのか、スコアが下がる傾向がある。改造で多少改善されたとはいえ、35W運用は厳しいシーンがあるようだ。

CyberPunk 2077ベンチマーク

CyberPunk 2077も35Wで一度は良好なスコアが出るのだが、複数回連続で回すとやはり熱ダレのような現象が起こり結果が不安定になる。今回は安定したデータのみ掲載している。
ただし、中設定でも十分遊べるレベルになってきているのは嬉しいポイントといえるだろう。35Wで熱をコントロールできる環境なら、レイトレーシングを「低」で試すことも視野に入りそうだ。

Monster Hunter Wildsベンチマーク

モンハンシリーズはプレイしたことがない自分であるが、ベンチマークの映像を見る限り解像度は1600×900、中画質以上で遊びたいと感じた。しかし、
- 最低・低設定と中設定の間で描画負荷に大きな差があり、
- 中設定にしたとたんスコアは大きく下がる。
最低でもスコア13,000前後は欲しいと思われるので、GPD Winmini 2025単体で長時間快適にプレイするには現状少し厳しい印象である。ただしもう一歩といったところなので、改造やしっかりした冷却で35Wを安定維持できればもっと快適にプレイできる可能性はあるだろう。

まとめ:「自分の」GPD Winmini 2025のTDPは25Wがベストバランスか
今回のベンチマークテストを通して、TDPを25W程度に設定しておくと安定性とパフォーマンスのバランスがよく、長時間のゲームプレイやベンチマークでも比較的スコアが落ちにくいという結論に至った。35W設定でも短時間ならパフォーマンスが上がるものの息切れしやすくなる。
とはいえ、一般的なHX370を搭載したデバイスと同等以上の性能は引き出せたので、この状態で以前から試したいと思っていたローカルAIなども試していきたい。