さらに完成度が高まったGPD WinMini(2025)レビュー

GPD WinMini(2025)が早くも到着した。スピーカーの音質向上が決め手となり、またしてもGPD WinMiniシリーズを購入することとなった。

初代の2023年版から数えて3台目となるが、それだけこのシリーズの完成度が自分にとって高いということだろう。

今回は、最新モデルのGPD WinMini(2025)について、開封レビューとファーストインプレッションをご紹介する。

※本機はクラウドファンディング版のため、製品版は異なる仕様となる可能性があります。

※音質の感じ方は個人により異なる場合があります。


GPD WinMini(2025)を選んだ理由

2025年はAMD Ryzen AI 9 HX370を搭載したゲーミングUMPCが豊作である。キーボード付きが必須条件である自分はONE-NETBOOK のONEXPLAYER G1と比較検討したが、最終的にはGPD WinMini(2025)を選択した。その理由は以下のとおりである。

  • ONEXPLAYER G1は画面サイズ8.8インチと大きめで、携帯性が劣る
  • GPD WinMini(2025)のスピーカーが大幅に改善されたというレビュー

指紋認証が搭載されていれば迷うことなく選択していただろうが、過去このブログでも文句を言っていたスピーカーが更新されたということでGPD WinMini(2025)を購入した。
※スペックなど詳細についてはこちらのメーカーサイトでご確認いただければと思う

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開封レビュー

GPD WinMini(2025)はIndiegogoでクラウドファンディングが行われ、出荷は3月頃の予定であったが、予想よりも早く到着した。今回購入したモデルは以下の最上位構成である。

  • CPU:AMD Ryzen AI 9 HX370
  • メモリ:64GB
  • SSD:2TB

価格は約24万円で、関税を含めると総額25万円を超える。UMPCを年に2台ほど購入するのが習慣となっているが、価格が年々上昇しているのを実感する。さすがにこれ以上高騰すると相方の視線も痛くなってくる。


外観・サイズ感

GPD WinMini(2025)は、前モデルと比べてすべての方向に数ミリずつ大きくなっている。

  • サイズ感:日々持ち歩いているGPD WinMini(2024)と比較すると、明らかに大きくなったと感じる
  • 重量:30g増加(500g台を維持)

とはいえ、ゲーミングUMPCとしては最軽量クラスであり、持ち運びには問題ない。

左上:GPD Winmini2024,右上:本機、下:2023
公称555gだったが、実測580gだった(一応、別の秤でも確認)。誤差…かなぁ?製品版では変わるのかもしれない。
グリップはつけ外ししやすいが不意に外れることはないと思える安定感がある
初期設定でグラフィックスメモリの専用領域として16GB割り振られている

キーボード・スティック キーボードやスティックの感触はGPD WinMini(2024)とほぼ同じで、操作性に違いはない。ただし、クラウドファンディング版のGPD WinMini(2023)と比較すると、GPD WinMini(2024)同様、キーボードの打鍵感が改善されている。

GPD WinMiniシリーズ共通の魅力は、携帯性の高さである。

  • 500g台の軽量設計
  • クラムシェル形状(蓋付きで収納しやすい)
  • 小さいにもかかわらずFunctionキー(F1~F12)まで設定されたキーボード

蓋付きであるため、画面やスティックの破損を気にせずどこにでも放り込んで気軽に持ち運べる点が大きな利点だ。

新機能:着脱可能なグリップ GPD WinMini(2025)の大きな改善点のひとつは、グリップが簡単に脱着できることだ。以前のGPD WinMini(2023)ではネジ式で取り外しが面倒であったが、今作では状況に応じた使い分けが可能となった。

冷却性能の向上 TimeSpyをデモから初めてベンチマークを終了させる程度ではキーボードやゲームパッドは少し暖かくなる程度だった。GPD WinMini2024では明確に熱くなっていたから排熱機構が改善されているのがわかる。


スピーカーの進化

GPD WinMini(2025)ではスピーカーが改善されている。独立したアンプが搭載されたということで、低音が多少出るようになりサラウンド感も強化されている。これはWindowsの起動音を聞いた瞬間に違いが分かるほどの進化だった。

もっとも、自分の手持ちの中では数年前に発売された旧型iPad ProやBang & Olufsen搭載のHP ENVY x360 に及ばない。UMPC界隈で音質に力を入れているAyaneo 3やOne-NetBookのUMPCにも劣る可能性は高いだろう。

とはいえ、従来モデルと比較すると「音質を理由に選ばない」という選択肢はなくなったと思う。さらに、スピーカーのエージング次第でどこまで向上するかも注目したい。


気になる点

改善点が多い一方で、いくつかの改悪点と思う点や気になる点がキャリーオーバーしている部分もある。

  1. ジョイスティックの切り替えスイッチの移動
    • これまで背面にあったスイッチが側面に移動
    • グリップを装着するとアクセス不可になる
    • 公式の意図は誤操作防止だが、利便性が低下
  2. 指紋認証の非搭載
    • ログインの利便性が向上するため、欲しかった機能のひとつである
  3. ソフトウェアのダウンロード制限
    • 提供されているファームウェアがGoogleドライブ経由で提供され、日ごとにダウンロード上限がある
    • ファームウェアを工場出荷状態から入れ替えて使いたいので、本格的に使うのはこれのダウンロードを待ってから、ということになる

ベンチマークテスト

吊るしの状態でGPD WinMini(2025)の性能をTimeSpyで測定した。比較用にGPD Win MINI パフォーマンスレビューのGPD WinMini(2023)の結果を載せる。

モデル総合スコアグラフィックススコア
GPD WinMini(2023)(TDP 28W)29182631
GPD WinMini(2025)(デフォルト設定)38553536

3~4割程度の向上が見られ、映像の滑らかさも明らかに改善されている。最新のRyzen 9 HX370として優れた結果であり、調整次第ではさらなるスコアの向上も期待できる。ベンチマークを見ていてもGPD WinMini2023,2024と比べて明らかにスムーズだ。このサイズのマシンでTimeSpyのデモ映像が滑らかに流れる様子は感慨深くさえある。


まとめ

GPD WinMini(2025)は、サイズ・重量・性能のバランスが非常に優れたUMPCであり、スピーカーのネガが改善された。

✅良い点

  • 音質の向上
  • 着脱可能なグリップ
  • 軽量&コンパクトな携帯性
  • 安定したキーボード操作性

改善してほしい点

  • ジョイスティックの切り替えスイッチが不便
  • 指紋認証なし
  • ソフトウェアのダウンロード制限

UMPCとしての完成度はさらに高まり、持ち運びできるゲーミングPCとしても小さなWindowsマシンとしても使える1台である。ベンチマークテストの結果はRyzen9 HX370として比較的良いようだが、セッティングやドライバの更新でより高みを目指せるのか(より下がるのか)試していきたい。そのまえに、まずはファームウェアをダウンロードしないと…。

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