船で通勤してストレス解消!? TRY!舟旅通勤にトライしてみた

酷暑の候、いかがお過ごしでしょうか。
自分はこのブログでも書いたようにテレワーク大好き人間である。複数のディスプレイに囲まれ、最高に使い心地の良いLIFEBOOK UH Keyboard(FMV Mobile Keyboard)で仕事ができる自分の家ほど仕事に適した環境はないと思っている。だから気温が35度を超える日などは自宅に引きこもっているのが一番なのである。ところが、こうも熱くなってくるとクーラーは48時間連続稼働していても大丈夫なものだろうか…電気代もかさむな…など、いろいろ気になってくることがある。おまけに悔しいかな空調に関してはオフィスの方が快適だ。賃貸の部屋に備え付けのクーラーだとどうしても気温が下がりすぎて寒くなりすぎたり、そうして消すとすぐに暑くなる。その点オフィスは非常に優秀で、一日中一定の温度に保たれていて熱くも寒くもない。そのため、クーラーを休ませる意味でも、週2日程度は出社をする。だが、それでも暑い中でさらに満員電車に乗り込むのは非常にストレスだ。一般的に、通勤のストレスを減らすためには例えば以下4つのような手段が考えられる。

  1. 早起きして余裕を持つ
  2. 通勤時間を有効活用する
  3. 快適な通勤環境を整える
  4. 通勤方法を見直す

とはいえ、これらはどれも夏の暑いさなかに有効な手段とは言えないかもしれない。早起きは辛いし、有効活用しようにも身動きが取れないほどの満員電車で勉強したり本を読んだりするのは難しい。スマホでさえ迷惑になりかねない。また、全員汗まみれの満員電車を快適な環境に整えるのはVRゴーグルをつけても難しそうだ。4.の一般的な手法としては一駅歩くとか自転車にするなどあるが、炎天下では命の危険さえある。

そんなわけで八方塞がりかと思いきや、解は陸上ではなく水の上にあった。

その昔、江戸は水運の都だったといわれる。江戸の町にとっていかに水運が重要で身近であったかを紹介すWebページは膨大に存在する。現在では屋形船が月島近辺にあるぐらいで、身近な存在とは言えないが、船は江戸っ子にとっては当たり前の輸送手段だったのだろう。自分の家は川からだいぶ離れているので、船通勤は夢想することもできないのだが、電車の車窓から川を見る度、「これって船で走れないのかな」とは思っていた。 
そして「 舟旅通勤 」 という実証実験(?)が行われているのを知ってからは、「機会があればぜひ乗りたい」と思っていた。
そうしたところ、この度、豊洲に出かけることがあり、ついに念願かなったのである。

ららぽーと豊洲前の船着き場
ららぽーと豊洲 SF映画みたいな光景だ

自分はこの1か月ほどの間に3回乗船した。乗り方は、公式サイト(公式サイトを開きます)で予約購入(500円)したQRコードチケットを乗船時に係員さんに読み取ってもらう。この記事を書いている時点ではまだ会員管理機能がないようで、複数回乗ると予約時に名前と連絡先を入れるのは面倒に思う。ちなみに予約をしなくても、空席があれば船着き場でチケットを購入し乗ることができる。チケット購入は電子決済OKだ。運航会社の違いによって船が異なるが、チケットの購入サイトは同じである。船は大きめのアーバンランチとスピードボートみたいなリムジンボートの2種類がある。後述するが、日本橋の方に入っていくと連続で橋の下をくぐるポイントがあり、満潮の際には大きいアーバンランチは橋の下をくぐれないのだそうである。水運の都だったのに船に厳しい街づくりになっているのは寂しくもあるが、水面と橋の間を大きく開けようと思えば橋のアプローチは急になるので、満員電車同様、坂も嫌いな自分としては悩ましいところだ。自分が悩んだところで何の意味もないが。

さて、船は豊洲の船着き場から日本橋まで移動する。所要時間は20分程度だ。初回は気合を入れてチケット(500円)を事前購入し、19:00の便を選択した。船着き場でしばらく待っていると、ほどなく大きいほうのアーバンランチが入船した。日本橋から乗ってきたお客さんたちが8名ほど下りてくる。自転車が載せられる点はほかの公共交通機関にはないメリットだろう。現在はチェックイン時にコレド日本橋か、ららぽーと豊洲で使える割引券(200円分)をもらえたので実質は300円といってもよいかもしれない。豊洲から乗るお客さんは自分を入れて2人。やはりメジャーでないからなのか、これだと赤字だろうなぁと心配になってしまう。乗り込むとオープンデッキとキャビンで構成され、広々としているので2人だともったいなく思われる。

運営側は船長さんと助手の方の2名である。風が強く、波も高いので船着き場では結構揺れていたものの、そこを出て走り始めるとほとんど気にならなくなった。自分はオープンデッキに出ていたが、暮れなずむベイサイドの街が非常に美しい。また、電車やバスなど、他の公共交通機関とは異なり、一定速で進んでいくため加速や減速、停止や右左折がなくとてもに快適だ。ほどなくして豊海橋まで移動した。この調子なら日本橋まで20分もかからないのでは…?と思ったのだが、この橋をくぐると首都高速の支柱を縫うように走ることになる。ウォータージェットというのか、噴射を使って進路を微調整しながら進んでいく。船長さんは結構大変なのではないか。しかし、街を水の上から見る経験は初めてなので新鮮だった。予定通り20分で日本橋に到着。快適な船の旅であった。

500円でこの景色が楽しめる。とてもお得では・・・!!

この後2回利用し、計3回利用したが、3回目はスピードボードみたいなリムジンボートであった。こちらはアーバンランチよりも小ぶりでオープンデッキがない代わりに速い。小さくて小回りが利くため豊海橋を超えてからが速いのだと思う。こちらは豊洲から日本橋までの所要時間が15分ぐらいであった。豊洲から日本橋まで20分だと時間的には鉄道とあまり変わらない。しかし、15分になると、時短にもなりそうである。

首都高の柱を縫うように走る
日本橋にて

さすがに今すぐこれが新しい脚になるかといわれると厳しいとは思う。しかし、乗ってみるととても快適で、船上から自分が生活している街並みを眺めるだけでも新鮮な発見があり、発展して新しい脚になったらいいのに、という空想は広がる。朝の便では朝ご飯を持ち込むお客さんもいるそうだ。予約すれば絶対座れるし、朝ご飯にはちょうど良い所要時間だ。自分も時間が合えばやってみたい。そして夕方の便は酎ハイを持っている人が何人かおられました。夢のない話だが、座れるのでPCを広げることも可能。

船通勤のメリットをまとめると…

  • 快適な環境:ちょっと風が強く波が高くても、船上ではリラックスできる。
  • 一定の速度での移動:加速や減速がなく、一定速での移動は非常に快適。
  • 新しい視点:街を水の上から見る新鮮な視点が楽しめる。
  • 自転車の持ち込み:他の公共交通機関にはないメリット。

これから台風のシーズンだが、それだけでなく潮の満ち引きに運航が影響されるようなので、機会がある方は予約を取って、一度試してもらえればと思う。帰りの時間を予約しておくと、その時間に退社するモチベーションにも言い訳にもなる。「帰ります。船予約してるんで!」というのはパワーワードに違いない。