どこにでも連れて行きたくなるGPD WIN Mini 開封レビュー

待ち望んでいたGPDWIN Miniが到着した。

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2023年は様々なUMPCが登場した一年だったが、キーボードに思い入れがある自分としてはGPD WIN Miniは発表当初から待ち望んでいた一台である。
※レビューはIndiegogoのものです。製品版は使用や同梱品が異なる場合があります。
詳細な仕様はメーカーHPでご確認のこと。
ちなみに自分のGPD WIN Miniは CPU:Ryzen7 7840u、メモリ:32GB、SSD:2TBという仕様である。

まず外箱からして小さい!という印象。GPD WInmax2の箱と比べてもかなり小さい。そして軽い。
開けてみるとこれまた小さい。全体はプラスチックでできており、そのため持ってみるとアルミニウムでできたGPD Pocket2などと比べて手へのあたりがソフトで持ち心地が良い。
天板を開けてもディスプレイ側が軽量だからだと思うが、同じ7型のGPD Pocket2より持ちやすく感じる。

電源を入れたところ無事起動したので一安心。ただし、Windowsには既に中国語が設定され、アカウントが作成された状態になっていた。
おそらく製品試験の際に作られて削除が漏れたものだと思われるが、気持ちは悪いので、HPからファームウェアをダウンロードすることにする。とはいえ、まずは各部の動作確認を行う。

全体観

変ながたつきや隙間もなく、高精度に凝縮されている印象がある。
冒頭にも記載したように小さいのと持ち心地が良い筐体だ。しっかり感もあり、GPD Pocket3の回転画面のように気を使わなくてもガシガシ使えそうだ。

クラムシェル型で持ち運びにも気を使わなくてよい。
閉じればコートやジャケットのポケットにもスポっと入るし、出っ張ったジョイスティックが何かに引っかかるストレスもない。GPD WIn3はほとんど持ち歩かなかったが、スレート型ゆえに気軽に持ち歩けなかったのが大きな要因なのでGPD Win miniを持ち出す機会は多くなるだろう。


重量の500g-600gというのは普通のペットボトルの重さであり、持ち出す気になる一つの区切りだと思う。この重さまでであれば「何かあったら使うかも」ぐらいの気軽さで持ち歩ける。これを超えてくると「このために」という目的がなければ持ち出す気にならなかったり、持ち出して使わないと「なんで持ち出したんだろう・・・」などと後悔することになる。

昔はタッチパッドの精度が…なんてこともあったが、既に老舗になりつつあるGPDはその点しっかりしており、タッチパッドでの微細なポインタの調整にも反応してくれストレスはない。GPD Winmax2のように押し込んでクリックができたらさらに良かったが、このサイズなのでやむなしといったところ。

ジョイスティックでのマウス操作も快適だが、ポインティングの精度はGPD Winmax2のほうが高いように感じた。
また、マットな質感なのだが、皮脂がつくと目立つ上に取れにくいのは難点だと思う。次回作の塗装では考慮してほしいところだ。

ディスプレイはタッチディスプレイなので、ディスプレイ、ジョイスティック、タッチパッド、とインターフェースが3つあるが、大まかなスクロールなどはディスプレイ、よく使うのは手に近いところにあるジョイスティック、微細な操作はタッチパッド というようにすみわけはできている。

キーボード

本機の最大の特徴ともいえるキーボードである。
かなり小さいのでもちろんタッチタイプなどは苦しく、両手で持って親指での入力が基本となるだろう。ただし、GPD Win3と比べると圧倒的な打ちやすさでWifiのパスワード入力では感動した。
慣れれば机に置いて3本ぐらいの指で即席の長文を打つぐらいはできそうだ。

無理なくほぼ真ん中まで届く

端子について

過去のGPD シリーズと比べるとOculinkがつき、USB-Aがなくなっている。GPD WInmax2との比較だとフルサイズのHDMI端子がないのも残念な点である。とはいえ内部構造などを見るに、さすがに搭載は難しそうだと納得せざるをえない部分でもある。

スピーカー

ミニPCに良い音質、という二律背反的な要望がある自分としてはかなりの注目ポイントだった。HPには
「Top-Tier DTS:X Audio Experience」など音質にこだわった表記もあったのでなおさらである。

実際に聞いてみると、GPD Winmax2から音質は大幅に向上しており「音楽を聴ける」レベルになってきた。変なひずみが少なくなり、低音も多少出ている。コンパクトなジュークボックスとして置いておいてもよい、というくらいであり、半日の間、作業PCのわきに置いて音楽を流していたくらいだ。ただし、かなり良くなってはいるものの、iPad Airにはまだだいぶ及ばない、というところ。特に低音が足りない。いつものようにエージングはしてみようと思うのでどこまで変わるか楽しみである。

グリップ

GPD Win MINIには外付けでグリップをつけることができる。自分はつけない運用になると思うが一応購入しており、取り付けてみた。ねじ一本で止めているため、激しく動かしても大丈夫なのかという点には一抹の不安があるものの、もともと持ちやすかったのが取り付けるとさらに安定する。一度味わうと外したくなくなるほどだ。

性能

最後に吊るしの状態でベンチマークをとってみた。

結果はGPD Winmax2の吊るしの状態と同じぐらいである。CPUが一世代上がっているのに、という見方もできるが、GPD Winminiの基本のTDPは15Wに設定されているようなのでGPD Winmax2の半分程度だ。どの程度伸びしろがあるのか、性能レビューで詳しく見ていきたい。

ベータ版では発熱問題が取りざたされていたが、15W駆動ということもあって、発熱・ファンの風切り音ともに想定内かそれ以下にとどまっている。

3DMarkのTimeSpyで2491。ほぼGPD Winmax2のつるしの時と同じ。

気になる点

生体認証がないのが今回の最大の残念ポイントかもしれない。ログインするたびにPinコードを入れるのはキーボードが打ちやすいとはいえ苦痛である。もしかするとgpd win mini(2024)では搭載されるんじゃないのか、などと勘ぐってしまう。

また、画面を閉じてスリープにしていてもファンが回り続けている。これは設定で回避できるのか、別途確認していきたい(こちらは修正ファームが出そうな気もする)

全体としてこれから使っていくのが楽しみな一台だ。最初の設定や性能レビューなどを今後行っていきたい。

左からGPD Pocket2、Ipad Air、GPD Win3
GPD Pocket2との比較。かなり幅が短くなっている。
同じ7型液晶のGPD Pocket2とのキーボードの比較。
GPD Pocket2、GPD Winmax2 とのキーボードの比較