R1 Radiant Urban Sling はクラウドファンディングで5000万円を超える出資を集めた注目度の高いワンショルダーバッグである。特徴は高い機能性とデザインを併せ持っていること。出資から5か月ほどたって手元に届いたのでレビューしたい。
購入型のクラウドファンディングは今や先行販売ECサイトのような位置づけになっているという指摘がある。特に新規開発ではなく、海外の商品を日本に導入することを目的としたクラウドファンディングに対しては「本当にそれってクラウドファンディングなの?」という批判めいた意見も発生しているようだ。自分としては面白い商品が出てくるのであればそれでいいじゃん、と考えてしまうが、クラウドファンディング商品がある程度のロットで受注生産して終了、一般販売されないというプロジェクトも結構多いように思う。
だから、主だったクラウドファンディングサイトは頻繁に確認しているのだが、かっこいいスリングバッグが出ていたので出資した。サコッシュバッグにパソコン入れてでも記載したようにバッグは絶えずチェック対象なのである。
出資したのは2020年3月で緊急事態宣言が出る前だったが、新型コロナウィルスの影響が拡大している最中であり、送付予定の7月には影響が収まっているとよいな、などと思っていたものの、Radiant Urban Slingの発送自体が新型コロナウィルスの影響で遅れ、8月下旬に入手した。
本品はNIIDのホームページやamazonで販売が始まっており、詳細なスペックは各サイトをご確認いただければと思う。
多角形の本体に立体的なラインが入っていてカッコいい。
気室は全部で4つ。それに加えて一番下に長尺物を括り付けることができ、サブ気室とメイン気室の間に筒状のものを入れられるオープン収納がある。オープン収納は中に仕切りがあり、右から入れたものが左から落ちるということは発生しない。
この独特の形状を維持するため、結構しっかりした芯材が入っているため、ちょっと物を入れたぐらいでは型崩れすることはない。
ワンショルダーバッグは負荷が片方の肩に集中するため肩がこりがちなのだが、ベルトの品質が高いからか今まで使用したものの中では最も負荷が小さい印象だった。
バッグの重量は入れられるモノの量に対して重い印象である。
また、芯材と撥水加工された布がポリウレタンっぽい感触になっているためモノの出し入れに際してちょっとごわつく。ただ、これは使用しているうちになじんでくるのかもしれない。
特に気に入ったのは簡単に外せて簡単に止められるバックルである。リードを引いて真上に開けることで簡単にベルトの着脱ができる仕組みになっている。
ワンショルダーバッグをかけるときや外すときは、一度持ち上げて頭をくぐらせるわけだが、かけるときと外す時では外すときのほうが手間がかかる。というのも、かけるときは重力でバッグが勝手に下に落ちるが、外すときは髪に引っかかったり服のボタンに引っかかったりしてスムーズにいかないことがあるためだ。特に自分はベルトを短めにしておくのが好みなので、頭を抜くときにバッグの本体が耳や頭に引っかかることがありスマートではない。
しかし、ショルダーベルトの真ん中にジョイントがあれば頭を通さずにバッグを外すことができる。これはザックなどでもよくあるベルトのジョイントでも可能だろう。しかし、外した際は両手でベルトの端っこを持っているわけで、それを後ろ手に回し、片方の手に預け、バッグごと前に回してジョイントの位置を合わせて止める…というのは結構煩雑だ。
R1 Radiant Urban Slingのバックルは磁石で勝手にくっつくため、後ろ手に回したタイミングで手探りで簡単にジョイントをつなげることができる。このため、前に持ってきたタイミングではすでにベルトは輪っかの常態に戻り、片手で持っている状態になる。車に乗るために外すときなどは便利な機能だと思った。
ホームページを見ると外国人のお兄さんがカッコよくシュッシュッ、とベルトを延ばしたり縮めたりしているが、あれができるようになるためにはちょっと練習する必要があるだろう。
難点も記載しておくと、前述のようにしっかりした芯材が入っているため、若干重いのと、入れるものの形状に合わせて変形しにくい。結果として容量の効率が悪くなり、6Lという収容量のスペックに比べてモノがあまり入らないという印象を受ける。そこはデザインとのトレードオフと割り切る必要があるだろう。
相変わらず新型コロナウィルスに感染する方はおられるものの、現在は鎮静化に向かっているように見える。秋から冬にかけてこのバッグで出かけるのが楽しみだ。新型コロナが収束しますように。