iPhone 12 mini から iPhone Air へ5年ぶりに乗り換え。サイズ感・薄さ・重さ・片手操作、クイックスタートとeSIM移行、ケース/フィルム選び、Face IDやカメラの初期所感まで実機レビュー。
仕様面は時期やモデルで変わる可能性があるため、本記事は私物実機の体験ベースで記しています。詳細仕様は購入時点の公式情報をご確認ください。
「次の“コンパクトなiPhone”はもう出ないのか?」
iPhone 12 miniを使ってきた身として、電池の劣化と128GBの容量限界をきっかけに、できるだけ“軽い側”の選択肢としてiPhone Air(ブルー/256GB・ドコモオンラインで購入)に機種変更した。本記事では、サイズ感と薄さの体感、片手操作性、移行時の引っかかりポイント(クイックスタートとeSIM)、そしてFace IDやカメラの初期所感を中心に、5年ぶりの乗り換えをレビューする。
5年ぶりの機種変更。選んだのは「軽いほう」の iPhone Air
iPhone 13 mini以降、12 miniクラスのサイズや130g台の軽さを満たす選択肢はほぼ見当たらない。Androidを含めて探しても決め手に欠け、「いま買える中で軽量寄り」という理由からiPhone Air(スカイブルー 256GB)を選択した。iPhone12miniのバッテリーの持ちも悪くなってきていたが、ストレージ不足が決定的な要因だった。
開封と第一印象:サイズは大きいが、“薄さ”で許容できる
箱から出してまず感じたのは「やっぱり大きい」という事実。ただし、薄さが効いているのか、手に取った印象は数字ほど重くはない。12 miniはフィルム+カバー込みで約155gだったこともあり、素のiPhone Air単体ではそこまでの重みは感じにくい。
青い?


ビジネスシャツの胸ポケットに社用のiPhone SE(第3世代)と2台同居できたのは想定外のメリットだった。持ち歩き前提なら、厚みが減ることの効果はあるといえる。
ただし「薄い、薄い」との評判から期待値が上がっていたせいか、感動するほどではないというのが正直な感想。店頭で事前確認せずメディア情報のみで想像を膨らませすぎたからだろう。
ケースとガラスフィルム:使い勝手を優先する選び方

装着してからセットアップする派なので、まずはアクセサリーから。
ケース([LISEN 超薄型 iPhone Air 用 ケース Magsafe対応 AMAZONで見る])
見た目は武骨。メーカーはMIL規格相当の耐衝撃をうたっている。素材は薄手でボタンの押し心地は良好、ストラップホールもついている。カメラユニットまでしっかり覆う安心感がありつつ、フチ高は抑えめ。フチが高すぎると横端のジェスチャーが窮屈になるが、画面端のタッチが阻害されにくい高さとなっている。(画面側はフィルムで保護する前提)。


ガラスフィルム(例:[iPhone Air ガラスフィルム レンズ保護フィルム ガイド枠付き] AMAZONで見る)
位置決めガイド同梱でズレにくく、気泡も最小限で貼ることができた。フロントカメラ上にわずかな浮きが見られるが、日常使用では気にならないレベル。フィルムが思ったより厚手だったので、薄型タイプへ貼り替えるなら、同梱ガイドを流用して再トライする予定である。



データ移行の実体験:クイックスタートとeSIMで戸惑った話
1.iPhoneAirの電源を入れると「近くのiPhoneからクイックスタート」のアナウンスが表示される
2.iPhone12miniを並べてクイックスタートを開始
3.10分程度で完了
4.iPhone12mini画面に「データ送信が完了しました。こいつは用済みですよね?初期化しますか?」とメッセージが出る。iPhone Airには5Gのアンテナが表示され、使えるようになっている。iPhone12mini側は既に使えなくなっていることがわかる。
いや、いくら何でも10分でデータ送信が完了することはありえない。一方、iPhone Airには5G表示が出て、使える状態になっている。iPhone Airは「こんにちは」の画面になっているので処理を開始すると先ほどと同様に再びクイックスタートのアナウンスが表示された。そのため、改めてiPhone12mini側をWifiにつないで認証を行い、再度クイックスタートを実行すると、今度はデータの転送が開始された。
正しい手順が良く分かっていないのだが、上のNo4のあと、iPhone12miniを初期化してたらデータがすべて失われていたのではないだろうか。また、「eSIMのデータがおかしくなった場合はDocomoショップで有償対応です」と記載があったこともあり、2回目を実行する際には結構緊張した。

要注意ポイント:LINEと決済系、古いメール
機種変更時にLINEのパスワードを求められるのは“あるある”だ。パスワードの保存先と内容が正しいかを事前に確認しておくと安心だろう。PayPayもパスワードを要求されたが、こちらは覚えていなくてもスムーズに再設定できました。
一方、課金中サービスの登録メールが既に廃棄済みというものがいくつか見つかった。問い合わせ対応中のサービスがあり、仕事で使うものは特に慎重にする必要がある。ログイン継続中でも認証情報の更新を後回しにしないほうがいいです。
また、三井住友銀行のアプリは移行後はiPhone Air側で振り込み等をする際にiPhone12mini側で「承認」をする必要があった。iPhone12miniの登録を解除し、改めてiPhone Air側で登録をすればよいのだろうが、再登録に必要な条件をしっかり調べてからでないと面倒なことになりそうだ。
セキュリティの手続きは日々複雑になっている。一方、スマートフォンの進化もひと段落し、自分のようにサイクルが4,5年になっている人も多いはずだ。
スマートフォンの長期利用が加速、約半数が買い替えサイクルの長期化を実感
https://rokemoba.com/smartphone/smartphone-longtermuse/
期間を空けて買い替えると自分と同じような問題が起きる可能性がある。よく使うアプリはしっかり調べておいた方が良いだろう。特に小規模のスマホアプリのユーザーサポートは期待できないことが多く、ある日突然使えなくなり、サポートも受けられず慌てる可能性がある。
使い始めて感じたこと:Face IDの“実用度”が一段上がった
2週間運用してみて、Face IDの認識精度が大幅に向上した手応えがある。マスク越しでもほぼ問題なし。ロック解除のストレスが減る効果は大きい。確かにこの精度であればひとまず指紋認証は不要かも、と思った。また、レスポンスも良好である。スマホに処理能力なんて不要、と思っている自分であるが、アプリの切り替えやWeb表示が非常に高速になったのは快適で、この快適さはiPhone12miniクラスからの乗り換えであればだれでも実感できるのではないだろうか。
一方で本体幅の拡大に伴う片手操作の難度は、やはり12 mini比で上がっている。また、画面が大きくなったり、120Hz化することに対する感動があるかな、と思っていたものの、それほどでもなかった。とはいえこれオッサンの感性が鈍っている所以である可能性は高い。
結果的に自分の場合、可搬性の低下で家の中でもどこかに置きっぱなしにするためスクリーンタイムはiPhone12miniの時に比べて減った。スマホを見る時間は少なければ少ないほうが幸福、という調査もあるので、皮肉だが良い効果なのかもしれない。
3週間の“スクリーンタイム削減”で抑うつ・ストレス改善、睡眠とウェルビーイング向上
スマートフォンのスクリーンタイムの短縮はメンタルヘルスを改善する(PubMed Central)
カメラの初期所感:広角構成の“割り切り”をどう見るか
12 mini時代は超広角を出先の室内や風景で意外と使う場面が多かったため、構成の違い(超広角の省略など)が今後どの程度効いてくるかは引き続き確認する必要がある。
相方のiPhone 14と撮り比べた第一印象では、「写真がかなり綺麗」とのコメント。12 miniとの比較は別記事でまとめるが、暗所での撮影能力は如実に上がったと感じる。
良かった点・気になった点(文章で簡潔に)
良かった点は、薄い=どうにか胸ポケットにいれて持ち歩ける、Face IDの快適さ。
気になった点は、サイズアップの実感とカメラ構成の割り切り。
まとめ:12 mini難民の解となりえるか
小さい端末にこだわっていた自分であるが、一気に1インチ以上大きな画面のiPhoneAirにして思うのは、どうにかなるもんだな、という印象である(大きな喜びはないが)。こう思えるのは自分の場合、会社のiPhone SE3との胸ポケットでの同居が実現しているからだと思う。例えば会社iPhoneが16eなどになるとさすがに胸ポケット運用は難しいと思われ、また改めて悩むことになりそうである。