1年を10日間伸ばす方法-シロカ 食洗器 SS-M151レビュー

以前から食器洗い乾燥機に関心はあったものの、設置や工事が面倒くさくて真剣に検討してこなかった。しかし2019年の年末これらの課題を解決できる食洗器としてシロカのSS-M151を購入した。実際に使ってみると、自由な時間を大きく伸ばせる可能性がありそうだ。現在は食器数個でも食洗器行きとなっているので、一人暮らしの時から導入すればよかったと思っている。

購入まで

共働きの我が家では家事の中でも洗濯(ライオンのプレケア エリそで用をかけた洗濯物を洗濯機に入れる作業)と食器洗い、週一回の掃除は自分の担当となっている。
このうち食器洗いは毎日発生し、それなりに時間がかかるため以前から食器洗い機を検討していた。しかし、賃貸マンションで水道周りを自分でいじるのは嫌だったので、これまで購入には至っていなかった。
また、量販店に買いに行くと「下見が必要です。土日不可」と言われたりして平日に2回も会社を休まなければならないようで、その点でもハードルが高かった。

そうはいっても時間のロスに耐えられなくなり「どうせだから会社を2日間休んでやるぞ」と覚悟を決めて量販店に向かったところ、自分の課題を正面から解決できる食洗器を発見した。

それがこのシロカ SS-M151だ。

SS-M151 は筐体内に水タンクを備えることで水栓分岐工事なしで直ぐに使うことができる。そのため引っ越しが多い家庭や賃貸住宅などに向いているとの触れ込みだった。家電量販店では、このタイプの食器洗い機を初めて見たので「今はこんなのがあるのか!」とびっくりして帰ってきたが、その後ネットで情報を集め、2019年の年末に購入した。

2Way食器洗い乾燥機 SS-M151

10年ほど前、実家に食器洗い機をプレゼントしたが、ずいぶん使用水量が少ないと聞いていた。SS-M151 は「使う水が少ない」という特徴を一歩進めて、タンク式を可能にしたイノベーティブな製品だと思う。
また手動注水だけでなく、分岐水栓の工事をすれば一般的な食器洗い機と同じように使うことも可能である。
メーカーのシロカは知名度は高くないかもしれないがホームベーカリーやコーヒーメーカーといった中小型家電に強みがある日本の家電メーカーである。この記事のために調べたところでは食洗器に限らず大手メーカーとはちょっと目の付け所が異なる商品を多く開発しているようだ。

工事不要は素晴らしいが、洗浄力については未知数である。 実家のPanasonic製の食洗器は10年前のものであるが、洗剤をミストにして噴霧し、食器の汚れを落ちやすくする機能などがあって洗浄力は高い。(そして10年たった今でも老親の家事をサポートしている)。どこまでそれに迫ることができるだろうか。

製品の到着

今回は相方と相談の上、Amazonで購入し、2日後には製品が届いた。相方は実家に戻るタイミングだったので、台所の写真を撮るにはうってつけである。

到着

配置

さて。本製品はタンクがあるため筐体がでかい。
試しに台所のわきに置いてみると圧倒的な感じだ。しかし、ここで配置の自由さが生きる。
キャスター式のサイドボードの上にのせてみた。排水ホースが比較的長いので使うときは流しの脇に移動し、ホースを流しの中に突っ込んで、使い終わったら壁面に戻す。これは水栓に接続されていないからこその使い方だろう。単に工事が不要になるだけでなく、使い方、置き場所の自由度が上がるという副次的な効果が生まれている。
SS-M151 の低面積が大きく、後ろ足(?)部分がはみ出ているので、改めて板などに乗せる必要はあるが、当面はこれでいけそうである。

試しに流しにおいてみたところ。圧倒的な感じ。
キャスターボードの上をクリアにして載せてみた。食器洗い機としてはあり得ない配置だが…

利用開始まで

次に製品を組み立てる。といっても中身を取り出し排水ホースを取り付けるだけだ。ちなみに排水ホースはしっかり遠くまで差し込むよう注意が必要だ。写真の手前段階でもいったん止まるが、ぐっと奥まで差し込む。

置き場所を選ばないが、それゆえここは要注意。万一漏れると予期せぬところが水浸しに…

あとは食器を並べて洗剤を入れて水を入れれば…というところで洗剤がないことに気が付いた。Panasonic製の食洗器はおまけで3回分ぐらいの洗剤がついていたからすぐに試せたんだよなー。などと懐かしく思いつつ、コンビニ数店を回るものの、見当たらない。以前はコンビニでも食洗器用の洗剤が手に入ったと思うのだが、今はないのだろうか。仕方ないので少し離れたドラッグストアまで足を延ばすことになった。
というわけで、購入された方はあらかじめ食器洗い機専用洗剤を購入しておくのがおすすめである。

さて食器を入れ、洗剤を入れたら水を注いでいく。付属の注水カップで3.5杯程度を上の注水口から注ぎ入れる。結構周りに飛び散ってしまうので、ファンネル形状にするとかガードをつけるなどしてほしいと思った。注水すると、アラートが鳴って満水になったことが告げられる。あとはスタートを押して洗いあがるのを待つばかりである。

天板部分の注水口。ここに右のカップで 3回半注ぐ。結構周りに水が跳ねるので、もう少し形状を考慮してほしい
入れたところ
SS-M151の機動力は高い。排水ホースはしっかり流しに入れておく必要がある。
そうしないと台所は水浸しだ。

洗いあがりは?

10年前の実家のPanasonic製食洗器に比べて作動音が小さい。自分の部屋はキッチンとリビングがつながっているのだが、テレビの音声や会話への影響はあまりない。特に普通に流しで洗い物をするのと比べたら、圧倒的に静かである。そうこうしているうちに標準モードであれば1.5時間ほどで洗いあがる。最後の30分は送風による乾燥機能が働くのだが温風乾燥ではないのでそこまでしっかりとは乾かないようだ。

肝心の洗い上りはどうだろうか。
概ね綺麗になることが確認できた。概ね、というのは、実験を兼ねて結構残菜がある状態で放り込んだところ、卵の黄身がこびりついたものや、箸の先端のご飯粒がつぶれたものなどが取れていなかった。ミスト機能があるPanasonic製の食洗器では落ちていたので洗浄力はそちらに譲るようである。

写真ではよくわからないが、上の黒い食器の卵の黄身は取れていなかった

しかし、手で洗うとなかなか落ちないプラスチックについたヌルヌル油汚れなども綺麗に落ちており、期待通りの性能だったといえる。

また、分かっていたことだが水タンクの影響で筐体サイズに比べて庫内が小さい。そのため、2人分であっても1回では洗いきれないことが多い。
こういう場合は、夜寝る前に入るだけセットし、翌朝、洗い終わった食器を片付けて朝食の食器と一緒に夜の食器の残りを洗うことにしている。

手洗いはほとんどなくなった!

さて、これによりどれだけ食器洗いの時間を減らすことができただろうか。

通常、二人で夕食を食べると鍋を除いた食器洗いにかかる時間は20分程度である。
一方、 SS-M151を使用すると食器を軽くすすいで配置するのに5分、注水に2分程度となる。また、朝食では洗いに10分程かかるが、 SS-M151を使うと 配置に2分、注水に2分といったところになる。
1日19分短縮できて1か月を30日とすれば、570分の節約が見込まれ、1か月で10時間近い節約となる。
12か月であれば100時間程度の削減が見込まれるので、1日で有効に活用できる時間を10時間とすれば1年が10日ほど伸びる効果があるといえる。

実際には毎日家で食事を作るわけではないが、かなりの効果がありそうだ。