GPD POCKET2を100均の扇風機で冷却

たまにゲームをするようになって改めて発熱が気になりだした。今回は放熱パッドの整理とダイソーの扇風機を使ってより強力な冷却を試みた。

社内のeSports部に入ったこともあって、たまにゲームをするようになった。今のところプレイするのはWorld of Warships ぐらいなのでGPD Pocket 2でもグラフィック品質を下げることで動かせる。それでもかなり発熱するし、特にExtreme UtilityでTDPを高めているといきなりコマ送りになってしまったりする。以前も確認したように発熱によるサーマルスロットリングが起き、かえって処理が遅くなっているようである。
ただ、ExtremeUtilityを使ったほうが明らかに滑らかに動くので、できればこれを使い続けたい。一方で発熱はPCの基盤やバッテリーに負荷をかけ、製品寿命を著しく縮める恐れがある。
そんなわけでさらなる冷却方法を検討した。
何もこんなミニPCでゲームをやらなくてもよい、というのはまっとうな意見だと思うが、なんというか、ロマン?

ゲームやデータ処理をする場合、CPUは絶えず最高のパフォーマンスを出すことを迫られる。一方オフィスワークなどであればWebを開いたりアプリを操作した瞬間のみ全力を出せばよく、人が文字を追っている時間はほとんどパソコンは仕事をしていない。
現在自分のGPD Pocket 2はCPUと外装がサーマルパッドでくっついた状態になっている。このため外装を冷やせばそのままCPUを冷却することができる。
ゲームをやっているとコマ送りになるということは、外装に熱を逃がすようにしても、連続的に負荷がかかると放熱が追い付かないためだろう。そのため空冷方式にすることにして(もともと空冷ではあるが)、ダイソーで扇風機を買ってきた。

この扇風機はUSBで電源をとる仕組みとなっているので、PCとの相性は良さそうだ。枠は鉄製なのでGPD Pocket 2を乗せたら効率的に冷却できるのではないか。USB電源というところもポイントが高い。USB電源につなげて動かすと思ったより威勢がよくないものの、しっかりと風を感じることができた。

100均とは言え300円。そうはいっても安い。
向きを変えることができ、90度上を向けることができる。

以前冷却パッドを貼った時、結構適当に貼ってしまったように思うので、整理して貼り直すことにした。
今回使うのはTAIHEIYO 高熱伝導シリコーン 熱伝導性シリコーンシートの2mm厚、1mm厚、0.5mm厚のセットに、3mmのシートを買い足した。前回開けたとき、CPUと外装の間の隙間がかなり大きいと感じたためだ。実際に貼りなおしてみると、3mmのシートが大活躍だった。

3種セットと別途購入した3mm厚のシート
貼りなおしたところ

かなりすっきりさせることができたと思う。エアフローも考えれば余計なところにシートを貼りたくはないので冷却効率も高まった可能性がある。また、ファンの掃除をしたところ、10か月ほどのうちにかなり埃がついており、定期的な清掃が必要そうだった。
さらに気づいた点として、すべてのねじが緩くなっており、こちらも定期的に増し締めをするか、ねじ止め剤でも塗布したほうがよさそうである。

では扇風機の上にGPD Pocket 2を乗せてみる。実際にゲームをする際にはディスプレイにつなくがベンチマークはこの状態で行った。

GPD Pocket 2が軽いので扇風機の2点のねじで保持できる

結果がこのスコアである。

ドラクエXベンチマークで6177

前回の結果が6122だったので微増といったところである。

次に実際にゲームをしてみてXTUのパラメータを確認する。対象のゲームはWorld of Warships(WOW)で、XTUを記録状態にして3戦してゲームをいったん終了し、XTUの記録を停止して数値を確認している。

動作周波数の最大値は冷却しない場合も制脚した場合も変わらない。しかし、冷却したほうが周波数の平均値が高くなっていることから、高パフォーマンスを持続させることができているといえそうだ。特にグラフィックに関しては平均動作周波数が3~4割も高くなっている。一方、温度の平均が変わらないのは、扇風機をつけていないときは、性能を落として発熱を小さくしようとしているからだろう。

また、USB連動式なのでディスプレイにつないでみたところ、GPD Pocket 2のTypeC端子にディスプレイをつなぐと回転が始まり、外すと回転が止まるように動作する。自動的に動いたり止まったりするのでストレスフリーである。(蓋を閉じたときにも扇風機が回りっぱなしなので、その場合はスイッチをONOFFする必要があるが)。


GPD Pocket 2の底面を触ってみたが、それほど熱を感じることはない。これならば常用してもPCへの負担は小さいのではないか。
300円の扇風機で寿命が延び、快適に作業ができるのであればのであれば安いといえる。扇風機はノートPCのファンと比べて大きいので少ない回転数で一定の風量を出すことができる。そのため風切り音が小さくて快適に使えるのも良い点だ。扇風機で効果があることはわかったので、薄型のものなど、より適合性の高いものを吟味してみたい。