『今後パソコンを買い替えた際の楽しみが増えたと思っておきたい』なんて気取ってみても、やはり納得いかないのである。
Intelのチューニングアプリ「Extreme Tuning Utility(INTEL XTU)」が使えるようなので導入した。
いつものように実施は自己責任でお願いします。
これで結果は「変わりませんでした」だと「またかよ!」と怒られそうなのであらかじめ最終的な結果を貼っておく。
導入の手順は以下の通り- XTUのインストール…の前に
- XTUのインストール
- 計測してみる
- 考察
1.XTUのインストール…の前に
XTUはINTELが公式に配布しているチューニングアップツールである。CPUを駆動する電圧を中心として(チップセットによっては?)クロック周波数などが設定できる。
このツールは以下のインテルのサイトよりダウンロードすることができる
https://downloadcenter.intel.com/download/24075/Intel-Extreme-Tuning-Utility-Intel-XTU-
これをインストールすればよいのだが、クラウドファンディング版のGPD Pocket2ではインストール時にエラーとなった。GPD Pocket2では特定のソフトウェアをインストールできないという問題が報告されており、それ起因するものと思われた。この問題に対応したfirmwareは公開されているので対処は可能である。ただし、firmwareといいながらOSの再インストールになるためすべてのデータは削除される。
https://gpd.hk/gpdp2firmware
より「GPD Pocket2 WINDOWS 10 20181212」を選択してダウンロード、手順はGPD Pocket2 最初の設定と同じである。
これでようやくXTUをインストールできる。
2.XTUのインストールと設定
再掲となるが以下よりXTUをダウンロードする。
https://downloadcenter.intel.com/download/24075/Intel-Extreme-Tuning-Utility-Intel-XTU-
XTUSetup.exeをクリックし、規約に同意の上ダウンロードする。
ダウンロードが完了したらexeを実行すればインストールが行われる。
また、INTELのサイトでドライバの自動アップデートを試したところ、グラフィックス関連の最新版のドライバがあったため更新した。
ディスプレイドライバは25.20.100.6471、Windows10のバージョンは1803である。
この状態でベンチマークを実施するとFire Strikeで628となった。前回より若干下がったが大きな違いはないといえる。
ドライバのバージョンは上がればスコアも上がるというものではないので安定性の向上やセキュリティパッチなどが当たっているのかもしれない。
XTUの設定をする。CoreシリーズのCPUは標準的なクロック周波数と一時的に高クロックで動作するTurboBoostモードで動作する。GPD Pocket2の場合、XTUによってCPUやグラフィックプロセッサの電圧とTurboBoostモードの時間や消費電力について設定できる。小生の乏しい知識では電圧を高めるのはオーバークロック時に動作を安定させるためと認識している。このためクロックの変更ができないGPD Pocket2では電圧だけ高めても意味がないと考えた。一方、TurboBoostの方はその時間を延ばすと性能に影響しそうである。そこで以下のように設定してみた。
※ちなみに、4.5W→7Wとテストして、Turbo Boost Short Power Maxが10Wに設定されていることで、そこまでは大丈夫だろうと判断した。
3.計測してみる
Fire Strikeを実行した。結果は…・529!またダウンかい!XTUはThermal Throttlingをモニタしている。このため熱が原因の性能ダウンは把握できるはずである。しかしその兆候はない。ただ、そうはいってもかなり発熱していたため、念のためアイスノンを使って底面全体を冷却して再度テストしてみた。
その結果が冒頭の800越えのスコアである。何度かやっても800を超える。
氷がありの場合となしの場合でFire Strikeを実行した際のXTUのモニタは以下のようになっている。
また氷有り無しとXTU有り無しの結果は以下のとおりである。
氷で冷やさないと一気に温度が上がるため、それ以降のテストの結果が振るわなくなるようである。また、時間がかかるドラクエ10ベンチでも前回の結果の1.2倍となっている。ただ、ファームウェアをアップデートしてドライバを更新すると全般的に性能は落ちてしまうようである。
4.考察
TurboBoostが電圧、時間、温度によって制御されているため、温度が低ければBoost時間が伸びる、あるいはサイクルが96秒であって余裕があれば96秒Boostしてさらに次の96秒に入る(ずっとBoost状態)ということだろうか。
いずれにしてもカスタマイズして性能を引き出すには冷却が非常に重要で、GPD Pocket2の基本的な冷却機能ではかえって遅くなる可能性がある。
20%も性能が上がるのであれば冷却台などを検討してもよいかもしれない。
また、XTUも他の項目をいじることでより高い性能が望めるかもしれない。ただ、Graphicの電圧を変更したところ途端に強制的に再起動された。繰り返しになるが試したい人は自己責任でお願いします。小生は熱対策ができるまではXTUの設定値は封印しておくつもりである。