元栓閉めずに蛇口を修理 ~ 蛇口からのぽたぽた水漏れを修理する

住宅に住んでいると水道の蛇口からぽたぽたと水漏れが発生することがある。専門業者に依頼すると値が張ったり応対の手間が気になるため、自分で対応しようと思うものの賃貸住宅だと水を一時的に止めるための元栓の場所が良くわからないことがある。今回は元栓を閉めずに水漏れを修理する方法を検討した。
※このページの方法はすべての蛇口に適応できるわけではありません。
※回復不能な状態になる可能性があり、試される場合は自己責任でお願いいたします。

同じ物件に長く住んでいると、水を閉めたはずなのに水滴がポタポタと蛇口から水漏れするようになることがある。これは水栓の「コマ」と呼ばれる圧力をかけて水を流したり止めたりする部品のゴム部分が劣化するのが主な原因である。初めのうちは従来よりも栓を強く締め込むことや、ポタ…ポタ…と垂れる水滴を見て見ぬふりをしていられるが、それを続けていると徐々に漏れる水の量が多くなってきて「ポタポタポタ…」と無視できないレベルになってくる。今住んでいる部屋でも住み始めから「風呂の蛇口が弱いな」とは思っていたものの、1年、2年と住むうちに状態が悪化し、無視できないぐらいの水垂れが発生するようになってしまった。

しかし修理のために業者に依頼すると、少なくとも1万円程度はかかるしテレワーク期間中とはいえ応対するのは手間がかかる。また「下見が必要」といわれると見に来ていただく日、さらに修理に来ていただく日とバラけるので、それも面倒くさいなと思っていた。

コマの交換自体は簡単だと思われるものの、DIYで直すなら基本的に元栓を閉めなければならない。そうしないと吹き出る水圧でコマが飛ばされ、締めることができなくなってしまうだろう。元栓は分かりやすい場所にあればよいが、この物件では風呂場の元栓がどこについているのかよくわからなかった。自分が住んでいるような小さなアパートの場合、元栓が全戸で1つということもあるらしい。そうすると周りの家とも調整しなければならない可能性もある。

しかし。

考えてみると果たして元栓は閉めなければならないのだろうか?この物件は築15年程度経過しており、水の勢いはあまり強くない。また。台所と洗面所と風呂場、という三つの水場が存在し、複数の蛇口を開けると水圧が弱まることが分かっている。台所と洗面所の蛇口を最大限開放すれば風呂場の水道にかかる圧力を減らすことができるのではないか?水圧が弱まれば元栓を閉めずに水栓を交換することができそうである。

まずはできそうか確認したうえで、コマを購入することにした。

  1. 台所と洗面所の蛇口を最大限解放した時、風呂場の水圧がどの程度下がるか確認する
  2. 必要な道具や補修部品の調達
  3. 実際の交換作業

1.台所と洗面所の蛇口を最大限解放した時、風呂場の水圧がどの程度下がるか確認する。

相方にも手伝ってもらって台所と洗面所、風呂場の蛇口を最大限に開放してみた。今回交換するのはお湯側である。水道水に比べても圧力が低いので3か所を最大に解放した場合、大きく勢いが弱まることが確認できた。これなら元栓を締めなくてもコマを交換できそうである。

2.必要な道具や補修部品の調達

風呂場の蛇口を確認したところ、メーカー名と型番がわかった。これをamazonで調べたところ、簡単に交換対象の部品を確認することができた。費用は1500円くらいで非常にリーズナブルである。また、交換用の道具として六角レンチとねじ回しが必要になる。
そして、失敗した場合の大家や水道工事業者の緊急連絡先はあらかじめ確認しておく

補修のために型番が貼ってあることは多いと思う
モンキーレンチとドライバーセット

3.実際の交換作業

Amazonで注文した水栓はいつものように数日で届いた。

簡単に購入できる。便利な時代である。
バルブとコマ 今回は両方とも交換する。 「綺麗な造形だなぁ」と、しばし見惚れてしまった
いかにも「部品」という感じで男の子心をくすぐられるのである。子供のころ砂場とかで見つけたら宝物にしていただろう

まずは蛇口の上のキャップを外し、ドライバーでネジを外してハンドルを取り外す。ここまではまだ水が漏れ出てくることはない。

キャップを外す
ドライバーでハンドルを外す
まだ水は漏れてこない。白いキャップは新しいバルブに流用する

次にウォータープレーヤーを使ってバルブ(水栓)を緩めていく。これが緩くなってくると、徐々に水が噴き出してくるようになる。

水栓が外れるとお湯が大量に出てくるわけであるが、写真にもあるようにせいぜい噴き出してくる高さは30センチ程度であり圧力も強くはないため、新しい栓を取り付けることは容易だった。

今回一番ドラマチックなシーン。
ちなみに、設定温度を高めにしておくと、生成されるお湯の量が減るのでやりやすくなる。やけどをしないように注意。
ぴかぴか
戻して完了
外したバルブ。ゴム部分がすっかり固くなっている。お疲れさまでした。

栓を取り付けて締め込み、逆の順で組みつけていけば作業は終了する。ここまでかかった時間は写真を撮りながらで約15分。かかった費用は1500円ぐらいである。また、お湯が噴出していたのは15分のうちの5分あるかないかぐらいである。風呂1回分を満たすのに。20分近くかかることから。その1/4分程度と考えればほとんどコストは気にならないレベルといえよう。

一見大変そうな作業でもやってみるとできるものだなぁ、と思ったわけだがこのブログを見て自分もやってみようと思う方は自己責任でお願いします。